現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

入試直前特集ー2017現代文・小論文入試予想論点・体系的総整理

入試直前特集ー2017年度・現代文(国語)・小論文・入試予想論点ー体系的総整理

 

 当ブログは以下の基本的方針で作成しています。

 以下に、当ブログの第一回記事の開設の言葉を引用します。下にリンク画像が貼ってあります。

 

 「今現在の入試現代文・小論文の最新傾向として、注目するべきポイントとしては、2つの大きな柱があります。

【1】1つの柱は、「IT社会の光と影と闇」です。

 この論点・テーマは、3・11東日本大震災の前から登場していたので、割と有名ですが、最近のスマホの爆発的な流行により、新たな論点・テーマが発生しています。

【2】 もう1つの柱は、「3・11東日本大震災の各方面に対する影響」です。

 「各方面」は、実に多方面にわたっています。

 2016年の、センター試験や難関大学の現代文(国語)・小論文入試問題を、検討している現在も、この考えは変わってはいません。」

   

gensairyu.hatenablog.com

 

以下では、

(1)「東日本大震災」関連記事

(2)「IT化社会」関連記事

(3)「グローバル化」・「民主主義」・「トランプ現象」関連記事

(4)「知」・「知性」・「反知性主義」関連記事

(5)「消費社会」・「地球環境問題」関連記事

(6)「アイデンティティ」・「自己」・「個性」関連記事

(7)「文語文・擬古文対策」関連記事

(8)「センター試験対策」関連記事

(9)「早稲田大・上智大・同志社大対策」関連記事

(10)「小説・エッセイ(随筆)・対策」関連記事

の各論点に関する記事のリンク画像を列挙していきます。

 

 1つの記事が複数の論点に関係する時には、それぞれの論点の場所にリンク画像を貼ります。

 

ーーーーーーーーーー

 

(1)「東日本大震災」関連記事

 

この論点では、以下の①~⑤のように分類しています。

①  科学論・科学批判

②  善意(ボランティア・救援物資)の暴走ーモラルの喪失

③  「関係性(絆)」の再評価

④  「津波」関連の論点

⑤  日本国家の疲弊

 

……………………………………

 

 ①  科学論・科学批判

 

 「科学論・科学批判」は、東日本大震災以後、激増し、現在に続いています。その背景は、以下の通りです。

 以下は、2016・6・10に発表した「東大現代文対策ー311後の最新傾向分析①ー2012河野哲也」の記事の一部引用です。

 「難関大学・センター試験の入試現代文(国語)・小論文に出題される「科学批判」(科学論)の論点・テーマは、3・11東日本大震災・福島原発事故以降、より先鋭化し、明らかに出題率も増加しています。

 3・11以前も、環境汚染・地球温暖化・チェルノブイリ原発事故等により、「科学批判」の論点・テーマは、一定の多くの出題がみられました。

 しかし、3・11以降は、「科学」に対する批判は明白に先鋭化し、「科学批判」の論点・テーマは出題率が増加しています。

 

 これは、考えてみれば、当然のことです。

 福島原発事故の際の、原子力村の学者達、地震学者達の無責任な「想定外」の連呼。

 崩壊した「安全神話」。

 今だに完全には収束していない福島原発の処理。

 これらをみれば、「科学」に対する厳しい批判的論考は、増えこそすれ、減ることはないでしょう。

 大学における現代文(国語)・国語入試問題作成者の「問題意識」も同じでしょう。

 たとえ、問題作成者の「問題意識」がそうでないとしても、入試現代文(国語)・小論文の世界は、「出典」の関係で論壇・言論界・出版界の影響を受けるのです。」

 

 以上の理由により、2017年度の入試現代文(国語)・小論文においても、「科学論・科学批判」は、最も注目するべき論点・テーマです。

 

 「近代・現代科学の基本原理である心身二元論」、に対する根本的批判が展開されています。現代文(国語)・小論文における最頻出論点です。少々難解ですが、この論点をマスターすることが、合格の必須条件です。

gensairyu.hatenablog.com

 

 東日本大震災・福島原発事故で明らかになったように、「現代文明の発展と存続」を考察する際に、「現代文明と科学の関係」こそは、中心論点・テーマです。

 神里達博氏の『文明探偵の冒険』は、「科学の限界」や「歴史の本質」を本質的に、粘り強く、考察した名著だと思います。

gensairyu.hatenablog.com

 

gensairyu.hatenablog.com

 

 現在、話題になっている「人工知能」に関する最良の論考の「予想出典・解説記事」です。

gensairyu.hatenablog.com

 

 入試頻出著者・山崎正和による、『ホスト・ヒューズマン誕生』(レイ・カーツライル)に関する哲学的・本質的論考を、「予想問題記事」として発表しました。

gensairyu.hatenablog.com

 

 

②  善意(ボランティア・救援物資)の暴走ーモラルの喪失

 

 最近の早稲田大学・上智大学・同志社大学の入試現代文(国語)の問題の中で、特に気になっているのは、3・11東日本大震災の直後に2年連続して出題された、中野好夫氏の「悪人礼賛」という論考です。

 この論考は、上智大学(経済)で出題された翌年に、早稲田大学(政経)でも出題されました。

 内容は、「善意の暴走」、「善意の厚顔無恥」に対する徹底的な批判です。

 この内容は、「被災地ヘの救援物資」が、「善意による二次被害」になる場合があることを強調しています。

 この論考は、私が特に重視している「東日本大震災後に新たに発生した論点・テーマ」といえるので、現代文(国語)・小論文対策として、このブログで取り上げることにしました。

 

gensairyu.hatenablog.com

 

  

 ③  「関係性(絆)」の再評価

 

 以下は、下のリンク画像(「センター試験現代文対策ー3・11後の最新・傾向分析①ー2012」)の引用です。

 「関係性(絆)」の論点の重要性を、わかりやすく説明したので、ここに再掲します。

 

 〈 問題6は、何を聞きたかったのでしょうか?

  問題文本文第9段落第3文(私の概要⑤第3文(最終文))に、

 「この自己と他者の『境界』を、生きるだけでなく、はっきり意識するところに、人間的な自己意識が生まれる。」

という、キーセンテンスがあります。

 このキーセンテンスに注目できたか否かを、聞いているのです。

 ここに注目できれば、選択肢④の最終文に着目して、これが正解だ、とすぐに分かります。

 つまり、「自己」についての、一般的・常識的な発想を試験時間中には、執着しないで(無視して)、素直に(とにかく)木村氏の主張を理解していけば、難問では、ありません。

 むしろ、易しすぎるくらいです。

 (ただ、このような柔軟な読解の姿勢を身に付けることは、なかなか大変なことです。→日頃の勉強における自覚・訓練が大切です。)

 

 「自己は孤立しては生きていけない。」

 「自己と他者の境界にしか、生存の場は、ないのだ。」

 「自己と他者の境界でこそ生存できる、このことを意識することが自己意識である。」

 さらに言えば、「『自分』を意識することではなく、『自己と他者の境界』を明確に意識することが、『自己意識』だ。」という主張です。

 ……………………

 木村氏の、この主張は、一見、難解ですが、3・11東日本大震災以降の日本人にとっては、充分に納得できる見解です。

 安定した日常では、自覚しにくいことですが。

 あの非常時を、思い出してください。

 「自己」の、無力、情けなさ、弱さ、頼りなさ、そして、どうしようもない不安感を、思い起こしてください。

 そうすれば、木村氏の見解に、納得できるはずです。

  問5と問6は、同じことを、聞いています。

 まさに、センター試験国語(現代文)の問題作成者は、木村氏の主張のポイントを、聞いてきているのです。

 見事な、問題作成能力です。

……………………

 私は、この問題が、3・11東日本大震災直後の2012年度に出題されたことに、注目しています。

 つまり、出題の背景に、

「3・11への意識があったのではないか」、

「今こそ『連帯性』・『関係性』・『共同性』を再評価・見直しするべきだと意識したのではないか」、

と考えています。 

 とすると、かなりメッセージ性の強い問題です。

 問題作成者の問題意識が、顕著に感じられる問題です。

 私は、2012年に初めて、この問題を見た時に、その強烈なメッセージに、思わず唸りました。

 ある意味で、感銘すら受けました。

 

 この時期こそ、いや、これからもずっと、この「自己」・「アイデンティティ」・「連帯性」・「関係性」・「共同性」の論点・テーマを、じっくりと考えていくべきだからです。

 私は、3・11直後の2011年は、他の人々と同じように、いつも頭の片隅で「自己」・「アイデンティティ」・「連帯性」・「関係性」・「共同性」について、考えを巡らせていました。

 そして、2012年に、センター試験のこの問題を見た時の、あのほっとしたような、自分の目を疑うような、不思議な感じを、私は忘れることができません。

 

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「共同体と伝承・物語成立の関係」・「物語と共同体結束の関係」も、入試現代文(国語)・小論文の重要論点・テーマになっています。

 現代社会は、「個人主義」の過度の進展により、「『共同体解体』の対策論」が、かなり前から論点・テーマ化しています。

 一方、3・11東日本大震災の際に、「共同体」の価値の見直し・再評価がなされ、「絆」がキーワード化しました。

 東日本大震災関連の論点・テーマは、私が、このブログ開設以降、特に注目している論点・テーマです。

 これらのことより、「『共同体』とは本来、何だったのか」という本質論も、最近の流行論点・テーマになっているのです。

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 ④  「津波」関連の論点 

 

  

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  ⑤  日本国家の疲弊

 

 東日本大震災、グローバル化、デフレ経済などにより、日本は疲弊しています。

 それでも、かなり無理をして、東京オリンビックを開催しようとしています。

 『三四郎』の中の「(日本は)滅びるね」という広田先生のセリフは、今現在も苦く心に響きます。

 ↓

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 「乱世」の中でも、人々は、「乱世」のまま生きていくことは、できません。

 「秩序」、「安定」、さらには、レベルの高い「精神生活」が必要不可欠です。

 3・11東日本大震災の時にも、体育館等に避難していた被災者達は、読書への欲求があったと聞いています。

 また、少し落ち着いた時には、近くの書店に訪れる人が多かったようです。

 今現在の人々も、「乱世を乱世のままに生きていくこと」は、できないのです。

 ↓

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 東日本大震災、グローバル化、デフレ経済などにより日本は疲弊しきっています。

そのことについて記述しています。

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(2)「IT化社会」関連記事

 

 前記した当ブログの「開設の言葉」を、再掲します。

 

 「今現在の入試現代文・小論文の最新傾向として、注目するべきポイントとしては、2つの大きな柱があります。

 1つの柱は、「IT社会の光と影と闇」です。

 この論点・テーマは、3・11東日本大震災の前から登場していたので、割と有名ですが、最近のスマホの爆発的な流行により、新たな論点・テーマが発生しています。」

 

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2015センター試験国語[1]佐々木敦『未知との遭遇』の解説が含まれています。

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(3)「グローバル化」・「民主主義」・「トランプ現象」関連記事

 

「グローバル化(国際化)」と「民主主義」・「トランプ現象」は、相互に密接に関連しているので、ここで、まとめておきます。

 

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日本の思想 (岩波新書) 

 

 

 

 

 

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(4)「知」・「知性」・「反知性主義」関連記事

 

 これらの論点は、2016年度に、大流行しましたが、今年も要注意だと思います。

 

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 (5)「消費社会」・「球環境問題」関連記事

 「消費社会」と「地球環境問題」は、密接に関係しています。現代の「消費社会」の根本的見直しをしなければ、「地球環境問題」を真に解決することはできません。

 

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 (6)「アイデンティティ」・「自己」・「個性」関連記事

 

 

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 (7)「文語文・擬古文対策」関連記事

 

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(8)「センター試験対策」関連記事

 

 

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2015センター試験国語[1]佐々木敦『未知との遭遇』の解説が含まれています。

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 (9)「早稲田大・上智大・同志社大対策」関連記事

 

 頻出出典です。今回は、2000年度・早稲田大学政経学部の過去問を中心に解説しました。

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 中野好夫氏の「悪人礼賛」は、2012上智大学経済学部で出題された翌年(2013)に早稲田大学政経学部でも、同一箇所出題されました。これからも、注目するべき論考です。

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 早稲田大学政経学部の過去問が2問(2大問→山崎正和・夏目漱石)含まれています。 

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 2012年度は、東大と早稲田大学教育学部で、河野哲也『意識は実在しない』の同一箇所から出題されました。『意識は実在しない』は、現在、流行頻出出典になっています。2017年度も、要注意です。

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 2008早稲田大学法学部・出題の丸山真男氏の『現代政治の思想と行動』、1999早稲田大学文学部・出題の大澤真幸の「自由の牢獄」の解説が含まれています。

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早稲田大学文学部現代文、早稲田大学政経学部現代文に出題された野家啓一氏の論考(2つの学部の問題文本文は、ほぼ同一内容)の解説が含まれています。

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 早稲田大学・上智大学・同志社大学などの難関大学の、入試現代文(国語)・小論文における「原典修正」の意外な、驚くべき実態と、「それらの問題本文を要約する際の注意点」は、入試本番に、かなり役立つと思います。

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(10)「小説・エッセイ(随筆)・対策」関連記事 

 小説エッセイ随筆の出題率は減っていません。むしろ、最近は増加傾向になっています。油断しないでください。

  

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 今回の記事は、これで終わりです。

 次回の記事は、約10日後に発表の予定です。

 

  

  

 

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