現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

2017-01-01から1年間の記事一覧

2018予想論点/体系的整理①/東日本大震災と哲学的論考

(1)入試直前特集/2018予想論点・予想出典/体系的整理①/東日本大震災と哲学的論考 今回の記事は、「入試直前特集/2018予想論点・予想出典/体系的整理①/東日本大震災と哲学的論考」です。 当ブログは以下の基本的方針で作成しています。 この基本…

2011センター国語第1問(現代文・評論文)解説

(1)なぜ、この記事を書くのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、センター試験、東京大学、東北大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学等で出題されています。…

センター小説満点のコツ・ポイント/解説・小説の純客観的解法

(1)「センター小説」解法・はじめに・「センター小説」をめぐる問題点を指摘する 今回の記事は、当ブログの「2008センター小説解説」、「2017センター小説解説」の2つの記事をベースにしつつ、新たに、「センター小説で満点を取るコツ・ポイント」を提示することを目…

2010センター国語現代文解説/岩井克人「資本主義と『人間』」

(1)はじめに センター試験国語(現代文・評論文・小説)は、「問題文本文の全体構造」を問う問題が頻出です。定番と言えます。 2010年度第1問は、全体構造を問う問題として、かなりの良問です。 その上、著者は国語(現代文・評論)・小論文の入試頻出著者・岩井克…

センター国語(現代文・評論・小説)満点奪取への過去問解説→最新7問

(1)センター試験国語(現代文・評論・小説)満点奪取への過去問解説→最新7問 2018センター試験が、いよいよ迫ってきました。そこで、2018センター試験国語(現代文・評論・小説)対策記事を書くことにします。センター対策としては、以下のことを注意してくださ…

「水の東西」等の「リズムの哲学ノート」(山崎正和)による新解釈

(1)はじめに/山崎正和氏の最近の論考「リズムの哲学ノート」、インタビュー記事から、山崎氏の名著「水の東西」・「無常のリズム」(『混沌からの表現』)を読み直す 山崎正和氏の著作は、長期的な入試頻出出典です。山崎氏の著作は大筋は分かりやすいのですが、…

予想問題「未来世代への責任」岩井克人/地球環境問題・世代間倫理

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現在は、異常気象、地球温暖化など「地球環境問題」に関する論点が、問題化しています。 「地球環境問題」は「科学批判」のテーマにおける重要な論点でもあります。 「科学批判」は、2017年度のセンター試験国語(現代文)、東大国語…

予想問題『日本文化の論点』宇野常寛/2014早大社会現代文

(1)なぜ、この記事を書くのか? 評論家・宇野常寛氏は、最近の入試頻出著者です。 宇野氏は継続的に、「3・11東日本大震災、福島原発事故」について、深い考察をしています。 「3・11東日本大震災、福島原発事故」は、最近の流行論点・頻出論点であり、当ブログに…

予想問題『勉強の哲学 来たるべきバカのために』千葉雅也 

(1)なぜ、この記事を書くのか? 今年のベストセラーになっている哲学書『 勉強の哲学 来たるべきバカのために 』(千葉雅也)は、入試対策上も注目するべきです。 本書のキーワードは 「自己」・「言語」・「コード」・「アイロニー」・「ユーモア」・「自由」・「欲望」であり…

予想問題『ゲンロン0 観光客の哲学』東浩紀/哲学/グローバリズム

(1)なぜ、この記事を書くのか? 哲学者である東浩紀氏は、入試国語(現代文)・小論文における、最近の入試頻出著者です。 東氏が最近、『ゲンロン0 観光客の哲学』という画期的な書を発行しました。 この哲学書は、現代のグローバリズム、トランプ現象を強…

予想問題「好きなこととは何か?」『暇と退屈の倫理学』國分功一郎

(1)なぜ、この 記事を書くのか? 國分功一郎氏は、最近の入試頻出著者です。國分氏の論考は、最近、慶応大学(商学部)、中央大学、同志社大学、関西大学、獨協大学などの国語(現代文)・小論文で出題されています。 従って、国語(現代文)・小論文対策として、…

『中動態の世界』國分功一郎/哲学/現代文・小論文予想出典(後編)

(1)なぜ、この記事を書くのか? 國分功一郎氏は、最近の入試頻出著者です。國分氏の論考は、最近、慶応大学(商学部)、中央大学、同志社大学、関西大学、獨協大学などの難関大学の国語(現代文)・小論文で出題されています。 従って、難関大学入試(受験)・セ…

『中動態の世界』國分功一郎/哲学/現代文・小論文予想出典(前編)

(1)なぜ、この記事を書くのか? 國分功一郎氏は、最近の入試頻出著者です。國分氏の論考は、最近、慶応大学(商学部)、中央大学、同志社大学、関西大学、獨協大学などの国語(現代文)・小論文で出題されています。 従って、国語(現代文)・小論文対策として、…

注目図書『私たち、戦争人間について』『キリスト教と戦争』石川明人

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現代は、戦争の危機が切迫してきている時代です。このような時こそ、単に「平和」を祈るだけではなく、「戦争」・「平和」について、より具体的に主体的に考えるべきでしょう。 この問題を考察するきっかけとなる良書(『私たち、…

予想問題『しんがりの思想 反リーダーシップ論』鷲田清一・地域社会

(1)なぜ、この記事を書くのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、センター試験、東京大学、東北大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学等で出題されています。…

予想問題『暇と退屈の倫理学』國分功一郎/消費社会・真の豊かさ

(1)なぜ、この記事を書くのか? 國分功一郎氏は、最近の入試頻出著者です。國分氏の論考は、最近、慶応大学(商学部)、中央大学、同志社大学、関西大学、獨協大学などの国語(現代文)・小論文で出題されています。 従って、国語(現代文)・小論文対策として、…

坂口安吾『茶番に寄せて』/2017早大政経現代文(国語)解説

(1)なぜ、この記事を書くのか? 坂口安吾は入試国語(現代文)・小論文における頻出著者です。最近では、以下のような大学で出題されています。 「散る日本」ー佐賀大学、南山大学「FARCEに就いて」ー上智大学、神戸女学院大学「文学のふるさと」ー明治大学、早稲…

茂木健一郎『思考の補助線』/明大(政経)・山口大現代文解説

(1)なぜ、この記事を書くのか? 茂木健一郎氏は、トップレベルの入試頻出著者です。最近では、福井大学、金沢大学、山口大学、早稲田大学、明治大学、立命館大学、関西大学、青山学院大学、成蹊大学などの国語(現代文)・小論文で出題されています。 国語(…

ポピュリズム・その積極的意義とは何かー2017学習院大現代文解説

(1)今回の記事について 今回の記事は、「2017早大現代文・学習院大現代文・論点的中報告③・ポピュリズム」の追加版として、2017学習院大学・現代文(吉田徹「ポピュリズムにどう向き合う」)の解説をします。 gensairyu.hatenablog.com ここで、流行・頻出論点である…

「身体、この遠きもの」鷲田清一・1999東大国語(現代文)解説

(1)「身体論」・「心身問題」とは何か? 入試頻出論点、流行論点である「身体論」は難解です。難解ゆえに、読解問題として、ふさわしいから、頻出、流行になっているという側面が、あるように思えます。「身体論」は予備知識・教養がモノを言うので、入試国語(現代…

2013東大国語第1問(現代文・評論文)解説ー翻訳・異文化理解

(1)なぜ、この記事を書くのか? グローバル化、国際化の進展する現在において、政治・経済・社会などの様々な局面でグローバル化のマイナス面が鮮明になってきています。このような時こそ、「異文化理解」の重要性がますます高まってくるのです。 入試国語(現…

擬古文・文語文・青学大現代文解説『濹東綺譚』永井荷風・近代批判

(1)なぜ、この記事を書くのか?→擬古文・文語文を得意分野にしよう。 大学入試現代文(国語)・小論文における、擬古文(および、擬古文的な、一時代前の読みにくい文章、文語文)の出題率は、決して低下していません。 むしろ、最近では、じわじわ増加していま…

予想問題『身の構造』市川浩/早大教育・過去問ー身体論・身(み)

(1)なぜ、この記事を書くのか? 近代原理であるデカルトの「心身二元論」については、様々な批判があります。 近代化の進展により、以下のような深刻な病理が顕著になってきました。 様々な事物からの奥行き・味わいの消滅、自己確認と無縁になってしまった…

予想問題ー共謀罪と監視社会ー自由・人権・民主主義を守るためには

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現在、最近成立した共謀罪(テロ等準備罪)の様々な問題性を指摘する論考が、数多く発表されています。 入試対策上、それぞれの論考に目を通すことも重要です。 しかし、このような場合には、個々の専門的・技術的な論点よ…

予想問題・共謀罪(テロ等準備罪)ー賛成説・反対説のそれぞれの理由

(1)なぜ、この記事を書くのか? 「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を設ける「改正組織犯罪処罰法」は、与野党の激しい駆け引きの末、2017年6月15日に成立しました。安倍晋三首相は「テロを未然に防ぐために、国際社会としっかり連携したい…

2015センター試験国語第1問(現代文・評論文)解説・IT化社会

(1)なぜ、この記事を書くのか? 2015年度センター試験国語(現代文・評論文)に出題された佐々木氏の論考(『未知との遭遇』)は、「IT化社会の問題点」、つまり、「歴史の崩壊」・「歴史意識の衰退」・「系譜学的(体系的)知の衰退」を鋭く指摘しています。この論点…

予想問題「極大化した不安 共に過ごす時間を」山際寿一・現代文明論

(1)なぜ、この記事を書くのか? 以下に紹介する山際寿一氏の論考(「極大化した不安 共に過ごす時間を」・耕論・〈私たちはどこにいるのか〉2017・1・1朝日新聞」)の一節、 「土地とも人とも切り離され、社会の中で個人が孤立している時代です。人類はどうやって安…

予想問題「広告の形而上学」岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現在は、消費動向の低迷、不景気、デフレ経済、経済のグローバル化、新自由業主義的経済など、様々な経済的論点が、現代文(国語)・小論文で問題化しています。 こういう時には、経済学の基本的な論点、特に、「消費社会」・「広…

予想問題「シン・ゴジラ」御厨貴・「戦後」と「災後」・東日本大震災

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近になって、2016年度の大ヒット映画「シン・ゴジラ」に関する、哲学的・政治学的・社会学的な本質的論考が、出揃ってきました。 入試現代文(国語)・小論文の流行・頻出論点にとどまらず、私たちの人生に大きな影響を与えた…

『考えないヒト』正高信男・IT化社会・コミュニケーション能力低下

(1)なぜ、この記事を書くのか? 携帯電話、スマホなどへの過度の依存により、言語運用能力・思考力の衰退、反知性主義などの退化的現象が現代日本に顕著になっている、という意見が強まっています。 そこで、「携帯電話」と「人間のサル化(退化)」の関係を鋭く…