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現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

推薦入試(就職試験)合格する自己紹介の書き方ー長所・短所

(1)推薦入試(就職試験)合格する自己紹介の書き方ー長所・短所

 これから書くことは、就職試験にも応用できます。

 就職試験に向かう人も、ぜひ、読んでください。

 

 AO ・推薦入試は、現在、マーチレベル以上の大学、例えば、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應大学等でも広く採用されています。

 AO ・推薦入試においては、入試実施日の前に、「自己紹介」についての書類の提出を、求められることが通常です。

 その書類と、高校の内申点等で、1次試験の結果が決まることもあります。

 

 「自己紹介」の中で、特に書くのが難しいのが、長所・短所(欠点)のうちの「短所」(欠点)です。

 これは、受験生たちが毎年度、例外なく悩んでいることです。

 私が受験生になったとしても、やはり、悩むと思います。

 全く、書きにくいことを聞いてくるものです。

 

 私は、今まで約25年間、様々な予備校で、現代文・小論文の集団授業のほかに、国公立大学(筑波大学・千葉大学・埼玉大学・お茶の水女子大学・東京学芸大学・長崎大学)・慶應大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・立教大学・法政大学・青山学院大学・中央大学・学習院大学・学習院女子大学・日本女子大学等の、難関大学の推薦(AO)入試を受験する生徒の個別指導も担当してきました。

 実際に長期間、個別指導してきて、合格状況を検証しつつ試行錯誤する中で、意外な事実が見えてきました。

 今回は、「自己紹介ー長所・短所」を、個別的に添削指導していて、かなり合格率の高かった書き方を紹介します。

 

 「短所」は、露骨に、そのまま書いては、いけないと思います。

 相手側(大学)の立場に立って考えるように、しましょう。

 自分を、さらけだす必要はないのです。

 恋愛対象、結婚対象を選ぶ訳ではないからです。

 「真の自分を分かってもらおう」、こういう考え方は捨ててください。

 大学側にとっても迷惑ですからです。

 大学には、4年間通うだけなのです。

 大学側は、自分の大学にふさわしい人物像かどうかを、見ているだけです。

 

 それでは、どのように「短所」を書いていけば、よいのでしょうか。

 私は、短所を長所との関係で考えるとよい」と思っています。

 

  言い換えれば、「短所は、長所の極端形式を書くとよい」と、私は考えています。

 これが、ここでの、一応の結論です。

 「短所はあるにしても、結局は大した短所ではない」という点がポイントです。

 以下に、その具体例と、理由、さらには、「目指すべき戦略」について、書いていきます。

 

 (2)絶対に、書いては、いけない「短所」

 大学側の立場に立って考えてください。

 大学側が嫌がることを書かないように、してください。

 

 一般的に、「短所」と言われている事項を、以下に列挙してみます。

 大学側の立場に立って、以下の具体例を、ゆっくり読んでみてください。

 

・勉強が嫌い、

・学問に興味がない、

・時間的にルーズ、

・ヤル気がない、

・生きる意欲がない、

・怠け者である、

・性格的にだらしない、

・計画性がない、

・キレやすい、怒り始めたら止まらない、

・勝手すぎる、わがまま過ぎる、

・短気すぎる、

・学校が嫌い、先生が嫌い、

・中年以上の男性が嫌い、

・人の教訓的な話を聞くのが嫌い、

・人の注意を聞くのが大嫌い、

・人間に対して好き嫌いが激しい、

・弱いものいじめが好き、

・人間自体が嫌い、

・世の中が嫌い、

遅寝遅起きがひどい、

 

 こういう欠点を読んで、大学側の立場に立った皆さんは、どう思いますか。

 「やれやれ」ですか。

 「どうしようもない」ですか。

 「うんざり」ですか。

 少なくとも、このような欠点を持っている人間とは、なるべくなら付き合いたくないと思うはずです。

 大学側も、そう思うでしょう。

 つまり、これらのことは、書かない方がよいでしょう。

 

 

 

(3)それでは、どのように、短所を書くべきか。

 「長所の極端形式」

 これしか、書くべきではないのです。

 ほかに、書きようはありません。

 以下に、具体例を書いていきます。

 

(4)具体例① 長所に「集中力がある」と書く場合

 この場合の「短所」は、「熱中しすぎると、まわりの状況が見えなくなる」が、よいでしょう。

 

 ここで、「面接対策用」に、この「短所の対策」も考えるようにしてください。

 「対策」としては、「ときどき休みを入れて、冷静になることを心掛けるようにする」が、よいでしょう。

 

(5)具体例② 長所に「勉強熱心である」と書く場合

 「短所」としては、「まわりの状況や人間関係に、注意を向けない時がある」とするとよいと思います。 

 「対策」としては、「まわりの状況や人間関係にも、気を配るようにする」が、考えられます。

 

(6)具体例③ 長所に「計画性がある」と書く場合

 「短所」としては、

①「先のことを考え過ぎる」、

②「計画が厳密すぎて、スケジュールが柔軟性に欠ける」、

等が、考えられます。

 

 「対策」としては、

①については、「先のことを考えて過ぎず、目の前のことに集中する」と考えることが、可能です。

②については、「余裕のある計画を心掛ける」とするとよいでしょう。

 

(7)具体例④ 長所に「落ち着きがある」と書く場合

 「短所」としては、「のんびりしすぎる時がある」が、考えられます。

 「対策」としては、「目の前の課題に集中するようにする。生活にメリハリをつける」等が、あります。

 

(8)具体例⑤ 長所に「リーダーシップがある」と書く場合

 「短所」としては、「仲間の意見を聞きすぎて、方針を決定することが困難な時がある」が、よいでしょう。 

 「対策」としては、「方針決定についての話し合いの機会を増やす」が考えられます。

 

 (9)具体例⑥ 長所に「思いやりがある」と書く場合

 「短所」としては、「相手のことを考えすぎて、しつこいと思われやすい」が、よいでしょう。

 「対策」としては、「相手の立場に立って考えるようにする」が、よいと思います。

 

 (10)具体例⑦ 長所に「自分の意見をはっきり言える」と書く場合

 「短所」としては、「言い過ぎることがある。相手を傷つける傷付けることがある」が、考えられます。

 「対策」としては、「発言する前に、客観的に冷静に自分の発言について考えてみるようにする」が、よいでしょう。

 

(11)まとめー「大学側の求める人物像」になりきる。その上で長所・短所を考えていく。

 目標は、あくまで「大学の合格」です。

 そうであるならば、それにふさわしい行動をとるべきです。

 ある程度、割り切ることが大切です。

 

 よく考えてみれば、受験生の「短所」を聞いてくること自体が、おかしいのです。

 「短所」は、ある意味で、プライバシーの重要な部分とも言えるからです。

 

 しかし、一方で、大学側の気持ちも分かります。

 一般入試と異なる、推薦 (AO)入試という、人物を重視する制度を導入した以上は、受験生のことを、よりよく知っておきたいと思うのは仕方ないでしょう。

 ある程度、その気持ちは承認できます。

 

 ここは、受験生としても、大人になって、淡々と対応した方がよいでしょう。

 「社会」は、「本音」と「建前」を「使い分ける場」なのです。

 大学は、「社会常識」を学ぶ場合でも、あります。

 「本音と建前を使い分けること」は、決して嘘をつくことでは、ありません。

 「社会で、社会人として淡々とした人間関係の中で生きる」ということなのです。

 各人の本音をぶつけ合う濃密な人間関係は、そこでは、必要ないのです。

 あらゆる人間に濃密な人間関係を相手に求めることは、相手にとっては、迷惑ですら、あります。

 あなた方が相手側(大学側)の立場に立って考えれば、よく分かると思います。

 多人数と、そのような関係を結ぶことは、ほとんど不可能です。

 

 だとしたら、ここでは、受験生は、「大学側の求める人物像」になればよいのです。

 あるいは、なるように努力すれば、よいのです。

 

 例えば、東京大学推薦入試では、「求める人物像」として、以下のように記述しています。

 ほとんど、完全に実現することは不可能な、理想的な人物像です。

 目標としてならば、設定可能ですが。

 しかし、東京大学の推薦入試を目指す受験生は、この文章を熟読して、「東京大学の求める人物像」に近づくようにするべきでしょう。

 

「東京大学が求めているのは、本学の教育研究環境を積極的に最大限活用して、自ら主体的に学び、各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生です。何よりもまず大切なのは、上に述べたような本学の使命や教育理念への共感と、本学における学びに対する旺盛な興味や関心、そして、その学びを通じた人間的成長への強い意欲です。そうした意味で、入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも、学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出だされるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を東京大学は歓迎します。」

 

 

 また、京都大学医学部医学科推薦入試は、「求める人物像」として、以下のように、記しています。

 

「京都大学は創立以来、自由の学風、闊達な対話を重視し、世界トップレベルの先端的学術研究を推進してきました。医学部医学科は、社会が大きく変革している現代においても、京都大学の学問環境で学び、研究することで、世界をリードできる人材、具体的には以下の要件を満たす人材を全国から広く求めます。

1.医学・生命科学に深い関心を持ち、かつ真摯な姿勢、熱意を持って真理を探究できる将来の世界の医学をリードするような医学研究者としての資質・適性を持つ人材。

2.1.以外でも自然科学の少なくとも1領域において傑出した能力を有し、かつ医学研究者としての資質・適性を持つ人材も考慮します。」

 

 やはり、これも、理想的な目標になっています。

 大学は、ある意味で、理想像を目指す場なのです。

 従って、京都大学医学部医学科の推薦入試を目指す受験生は、やはり、この「理想像」に近づく努力が必要になります。

 

 

 「大学の求める人物像」を調査するためには、志望大学のオープンキャンパスに行き、大学の講演等をよく聞き、大学のパンフレット・ホームページを熟読することが重要です。

 そして、「大学の求める人物像」を考慮した上で、「長所」と「短所」を「なるべく、自分なりの表現で(→これは、とても大切なことです)」、いかに書いていくべきか、を考えてください。

 これが、「とるべき賢明な戦略だ」と私は思います。

 

 

 

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(上の本は推薦入試のための定番化した入門書です。押さえるべき前提的ポイントを、わかりやすく指摘しています。私も、推薦入試を受験する生徒には、必ず購入してもらいました。皆さんも、ぜひ一度、ご覧になってみてください。)

 

   

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