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現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

大学入試・国語(現代文)問題における原典修正について(要約の注意点)

入試現代文問題における原典修正 入試出典 ズバリ的中 問題文本文 難関大学・問題本文の舞台裏 「要約」の注意点 読み物 センター試験 センター試験現代文 大学側の立場 小論文予想問題 小論文対策 慶應大小論文 早大現代文 本音と建前 東大現代文 現代文(国語)対策 原典は修正されている

 (1)この記事を書くことになった理由

 

 このブログの読者になってくれている友人から、「このブログの記事は、比較的重いものが多い。軽い読み物的・エッセイ的なものを入れると、ブログ全体を疲れないで読めるのではないか」と忠告がありました。

 私自身も、少しはそう思っていたので、肩の凝らない、それでいて、センター試験・東京大学・京都大学・一橋大学・北海道大学・東北大学・名古屋大学・大阪大学・広島大学・九州大学等の国公立大学、早稲田大学・慶應大学(小論文)・上智大学・マーチ大学(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)・学習院大学・関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)等の私立大学の入試現代文(国語)対策として、少しは役に立つ記事を書くことにしました。

 

 肩の凝らない、それでいて、少しは役に立つ記事は、どんな内容がよいか?

 

 いろいろ考えた結果、

①私が予想問題を積極的に発信する理由、

②予想問題を読む時の注意点、

③入試本番でズバリ的中が発生した時の注意点、

④難関大学の入試現代文(国語)・小論文問題における原典改変・削除の実態、

等について、軽い読み物的記事を書いてみることにしました。

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(2)予想問題の積極的発信の理由

 

 最近、このブログは、現代文(国語)・小論文対策として、予想問題を次々に発信しています。

 今が大学入試の時期だから、予想問題を積極的に発信している面もありますが、私としては、年間を通して予想問題を発信する予定です。

 なぜなら、このブログの第1回の記事である「開設の言葉」にも書いたのですが、即時性のあるインターネットの世界でこそ、入試現代文(国語)・小論文対策として、最新傾向分析、予想問題を発信するサイトが数多くあるべきだ、と私は思っているからです。

 

 もしかすると、有料メルマガ・ブログ・サイトの世界には、私のブログのようなものがあるかも知れません。

 しかし、有料メルマガ・ブログでは、偶然に良い情報源を発見するというチャンスが減少しますし、高額の場合は受験生にとって経済的負担も大きいでしょう。

 

 そこで、私は、このような無料ブログで、難関大学の入試現代文(国語)・小論文の対策として、最新傾向分析記事、予想問題記事を発信することにしたのです。

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(3)予想問題を読む時、これだけは注意せよ

 

 予想問題記事を読む時には、暗記するつもりで読むのではなく、

「今現在はこういう論考もあるのか」、

「このような論考が最近の入試傾向に沿っているのか」、

という心構えで、理解することに集中して読んでください。

 センター試験・東大・京都大・早稲田大・上智大・関関同立・マーチ等の難関大学入試の現代文(国語)・小論文でズバリ的中が期待できそうだ、という過大な期待を持って、暗記するつもりで読まない方がよいと思います。

 理解だけでなく、暗記まで意識しながら読むと、使うエネルギーに大きな差が生じます。

 しかも、入試本番で外れた時に、少しガッカリします。

 このガッカリが、目の前の、入試問題に対応する際に、良くない影響を与えかねません。

 私は、それを心配しています。

 

 理解中心で暗記するつもりはなくても、少しは暗記してしまうものです。

 その少しの暗記でも、他の受験生に大きく差をつけることができるので、安心してください。

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 (4)本番でズバリ的中が発生した時の注意点

  

 また、2016年2月実施の法政大学(全学部入試)の現代文問題に、直前に実施されたセンター試験と同じく、土井隆義氏の論考が出題されました。

 題材は「メディアテークの変容 若者のケータイ・スマホ文化とキャラ的コミュニケーション」でした。

 2016年1月実施のセンター試験の直後の1月18日に私は、このブログで、「2016年センター試験現代文・発展的分析ー『現代若者論』『自己』『キャラ』」という記事を書きました。

 その中の「土井氏の著書のキーワード」という項目で、土井氏のキーワードを列挙しておきました。

 それを読んだ受験生は、他の受験生に比べ、かなり有利な立場に立てたことでしょう。(下の画像からリンクできます。)

 

 

 

 このように、私の予想問題記事においては、現代文(国語)・小論文で著者的中、論点・テーマ的中ということは、よく発生することです。(入試対策として、これ以上の「対策」はありません。)

 時には、現代文(国語)・小論文で問題文本文・設問ズバリ的中ということさえ発生します。

 

 たとえ、入試本番でズバリ的中が発生した時にも、記憶を手がかりに読まない方が良いです。

 初めて、その文章に出会ったつもりで、ほぼ白紙状態で、素直に丁寧に読んでいく方が賢明です。

 なぜなら、難関大学の入試現代文・小論文の問題本文は、原典を改変・削除している場合が多いからです。

 改変・削除は、かなり高い確率だと思った方が、よいでしょう。

 原典が改変・削除されている場合は、文脈が多少変わっている可能性さえ、あります。

 その際に、以前に暗記していた文脈のみを頼りに読んでいけば、混乱するだけです。

 

  それでも、その論考に馴染みがある分、他の受験生よりは、かなり有利です。

 それだけで、良いのです。

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(5)入試現代文(国語)・小論文問題における原典改変・削除の実態

 

 毎年発行の『全国大学 国語入試問題詳解』(學燈社)で、センター試験、東京大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、一橋大学、東北大学、北海道大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学、学習院大学、マーチ(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)、関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)、国学院大学、成城大学、成蹊大学等の現代文(国語)・小論文の解答・解説を担当していた時、入試出典の原典参照を義務づけられていました。

 入試問題には原典の題名・著者・掲載媒体が明記されていないことも多く、そのような時は、原典捜索は、まるで、手がかりの少ない宝探しのようでワクワクしたものです。

 結局は、いくら調べても原典はなく、問題作成者が自分で書いたらしいということも、ありました。

 問題作成者も、いろいろと大変なようです。

 まさか、問題作成者の自作とは考えていなかったので、それを知った時は、びっくりしたものです。

 あの時は、原稿締め切りのタイムリミットもあり、大変でした。

 でも、あの時の経験が、今では様々な面で役に立っています。

 

 その仕事を約20年間続け、問題本文と原典との比較を毎年30問近く精密に実施したので、私は、入試問題作成の実態を知ることができました。

 私が、まず最初に驚いたのは、現代文・小論文の入試問題本文は、かなり原典を改変・削除しているという事実です。

 大学側は、問題本文の字数調節(3000字前後で、一まとまりの内容のある問題本文にするため)・難易度調節に、かなり苦労している感じです。

 私も、かなりの数の予想問題を作成してきたので、予想問題作成の苦労は充分に想像できます。

 しかし、入試本番の問題作成の、苦労やプレッシャーは、どれ程のものか想像することはできません。

 

 以下に、どのような改変・削除があるか、を列挙していきます。

…………………………

 

① 特に、トップレベルの難関大学の現代文(国語)・小論文問題では、原典改変の確率が高い。

  もともと、原典は、大学入試用に書かれたものでは、ありません。

 著者が、読者と想定しているのは、一般社会のハイレベル・インテリ層、あるいは、研究者の場合が多いのです。

 トップレベルの難関大学の現代文(国語)・小論文問題では、ハイレベルな論考を題材にする傾向があるために、受験生には難解すぎる部分を、文脈が大きく変わらない時には、カットすることがあります。

 このカットは、わりと多く見られるます。

 その時には、やはり、文脈が多少はギクシャクします。(場合によっては、文脈が飛躍し過ぎて、理解困難な時もあります。このような時は、全体の文脈を問う問題は、出題されません。)

………………

 

要約の注意点・ポイントー難関大入試の現代文(国語)の本文の精密な要約は必要なのか

 このような場合は、「要約」は、非常に困難になります。

 従って、トップレベルの難関大学の難問を演習する時には、「要約」は、アバウトでよいと思った方が賢明です。

 (さらに言えば、ほぼ不可能な場合も多いのです。)

 常に、精密な、論理的な「要約」を目指すことは、入試における原典修正に無知な証拠です!

 高校の現代文教科書の文章(大幅な修正はありません)を要約する場合とは、全く違うのです。

 このことを、強く意識してください。

 「不可能な目標」を目指さないでください!

………………

 

〈小論文問題の「要約」について〉

 現代文問題と小論文問題では、別に考えます。

 本番の小論文問題で、課題文が出題された時には、必ず、「課題文の要約」(大幅な修正がある時はアバウトでよいです)を書くようにしてください。

 この「要約」に、課題文のポイントを書くことによって、「受験生の理解度」を示すことが出来ると共に、「答案の方向性」を予告することが出来ます。

 答案のレベル(受験生の理解度)、方向性が、採点者にわかりやすくなるのです。

 「小論文の採点基準」の一つに、「理解度の項目」があります。

 この「理解度の項目」のポイントを、確実に獲得することが可能になるのです。

 このことは、あまり知られていないようです。

 が、過去に、難関大学の講師として入試小論文の採点経験のある予備校講師は、例外なく、このことを教えているようです。

 私は、難関大学の元講師の知り合いから、「要約を最初に書くことの重要性」を聞き、予備校の小論文の授業・演習で、このことを徹底的に教えたところ、合格率が顕著にアップしました。

 「要約提示による理解度のアピールが、いかに重要か」を示す参考資料を、以下に引用します。

 慶應大学法学部・小論文の問題文の前に、毎年度、付加されている注意事項です。

「この試験では、広い意味での社会科学・人文科学の領域から読解資料が与えられ、問いに対して論述形式の解答が求められる。(中略)その目的は受験生の理解、構成、発想、表現などの能力を評価することにある。そこでは、読解資料をどの程度理解しているか(理解力)(←太字は、当ブログによる強調)、理解に基づく自己の所見をどのように論理的に構成するか(構成力)、論述の中にどのように個性的・独創的発想が盛り込まれているか(発想力)、表現がどの程度正解かつ豊かであるか(表現力)が評価の対象となる。」 

 

 「要約提示の重要性」は、慶應大学法学部の小論文試験のみの問題ではなく、慶應大学の他の学部の小論文試験についても言えることだと思います。

 難関国公立大学の小論文試験も、同様の採点基準のはずです。

 ……………………… 

 

② 説明があまりにも平易な重要部分は、カットされやすい。

  原典の中の、あまりにも分かりやすく、そこを読めば、誰でも論考の全体像が理解できてしまうような重要部分は、カットされてしまうことがあります。

 難関大学の現代文(国語)・小論文問題で、よくあることです。

 これは、受験生に不利益な改変です。

……………………

 

③ キーワードが、原典のキーワードの類語という場合もある。

 原典のキーワードが平易だったために、原典全体に散在しているキーワードを、一段階レベルアップした類語にすべて変えてしまった問題もありました。

 これも、最近の難関大学の現代文(国語)問題に実際にあったことです。

……………………

 

④ 原典そのままの問題本文なのに、「本文の中の不要な段落を2つ指摘せよ」という問題が出題されたことがある。

 最近、トップレベルの、ある大学の現代文(国語)で、このような問題がありました。

 大学受験用の雑誌等で、やり過ぎではないか、と話題になったのも当然です。

 著者が見たら、どう感じるでしょうか。

 この時は、著者は、かなり前に死去していて、遺族からの苦情もなかったようで、結局は大きな問題にはならなかったみたいです。

………………………

 

⑤ 字数調節、難易度調節のために、かなり大幅に原典を圧縮することもある。

 私が、今まで担当した問題のうちで、最も驚いたのは、新書の約30ページ分の文章(約15000字分)を約3000字に圧縮した現代文問題です。

 具体例と、それに関連した部分、つまり、分かりやすい部分をすべてカットしたために、このようなことになったのです。

 都内の、ある難関大学(マーチ大学)で実際にあったことです。

 問題本文全体が、要約のようなパサパサな感じでした。

 

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  以上のようなことがあるので、入試問題に採用されることを極端に嫌がる著者が実際にいるのも、分かります。

 実際に、著者の事後の許諾(事前の許諾は得ないようです)が得られず、入試問題が公表されないことが多々あります。

 

 ただ、入試問題に採用されたことがきっかけになり、高校生、受験生にその著者の文章が読まれることがあります。

 入試頻出著者(作家・評論家・社会学者・哲学者・学者・大学教授)の論考は、高校の教科書・国語便覧に採用されることも多いのです。 

 例えば、大学入試の現代文(国語)・小論文における頻出著者の鷲田清一氏、柏木博氏、安部謹也氏、村上陽一郎氏、大庭健氏、河合隼雄氏、三浦雅士氏、茂木健一郎氏、山崎正和氏、中村雄二郎氏、今村仁司氏、吉田秀和氏、竹西寛子氏、森本哲郎氏、和辻哲郎氏、中村光夫氏、饗庭孝男氏、磯田光一氏、市川浩氏、伊藤整氏、唐木順三氏、加藤秀俊氏、内山節氏、丸山真男氏、吉見俊哉氏、外山滋比古氏、多木浩二氏、内田樹氏、橋本治氏、原研哉氏、福岡伸一氏、養老孟司氏、野矢茂樹氏、加藤周一氏、山本健吉氏、幸田文氏、志賀直哉氏、太宰治氏、小林秀雄氏、芥川龍之介氏、寺田寅彦氏、梅原猛氏、安部公房氏、谷崎潤一郎氏、三島由紀夫氏、宮沢賢治氏、横光利一氏、夏目漱石氏等の論考・小説・エッセイ(随筆)は、かなりの高校教科書・国語便覧(国語・現代文)に採用されています。

 

 ほとんどの文章が、最近の流行の入試頻出著者の論考・小説・エッセイ(随筆)という高校教科書・国語便覧さえあります。

 そのような、難関大学入試対策に有効な教科書・国語便覧を、トップレベルの私立進学高校が選んでいるのです。

 

 さらに、これらのことがきっかけで、一般的にも、読まれるようになる、という側面もあります。

 これらの結果、読者層が拡大することもあります。

 

 入試問題の出典として採用されることについて、以上のような、マイナス面とプラス面があるので、著者としても、入試問題に採用されることには、少々、複雑な思いがあるはずです。

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 以上に書いたことは、いつかは書きたいと思っていたことです。今ここで書いたことで、私は少し心が軽くなりました。

 自分の当初の方針を再確認した気分にも、なっています。

 これからも、このような読み物的・エッセイ的な記事を時々は書いていこうと思っています。

 

 

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【私のプロフィール】

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(下の、Amazon のリンク画像の問題集(『頻出・私大の現代文』(開拓社))は、私が執筆したものです。

 本書は、今から20年前に発行されたものですが、その当時の現代文(国語)の最新の、トップレベルの入試頻出著者を網羅したので、今も充分に役立ちます。

 詳しいことは、Amazon で御覧になってみてください。)

 

 

 

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