現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

2013センター国語第1問(現代文)解説「鐔」小林秀雄・エッセイ

 

(1)~(2)は、前回の記事の(「センター試験現代文対策ー3・11後の最新・傾向分析①ー2012」)の(1)~(2)の概説です。前回の記事を読んだ方は(3)から読んで下さい。

 なお、前回の記事ー「センター試験現代文対策ー3・11後の最新・傾向分析①ー2012・木村敏「境界としての自己」」(出題意図、本問作成者の問題意識の探究)ーは、下の画像からリンクできます。

 今回の記事の理解を深めるために、読むことを、おすすめします。

  


  (1)センター試験国語第1問(現代文・評論文)の最新・傾向を知っておくことは、センター試験国語(現代文)対策の重要なポイントです。

 

 このブログは、国語(現代文)・小論文の「最新・傾向分析」・「対策」・「予想問題記事」を発信することを目的にしています。

 そして、このブログは、現代文の「最新・傾向分析」・「対策」・「予想」に実績があります。

 

 このブログの実績は、以下の通りです。

① 2016年度・東大国語[大問1](内田樹)ー本文・設問ズバリ的中

② 2016年度・一橋大国語[大問1](長谷正人)ー本文・設問ズバリ的中

③ 2016年度・静岡大[大問1](鷲田清一)ー本文・設問ズバリ的中

④ 2016年度・センター試験国語[大問1](IT社会)ー論点・テーマ的中

 

 どうして、これほど多く、本文・設問ズバリ的中が、できたのか?

 それは、3・11東日本大震災以降の入試現代文(国語)・小論文の最新傾向の分析が、的確だったからです。

 

(これらについての、ズバリ的中の記事の、リンクできる冒頭記事画像を、この下に貼っておきます。)

 

  私は、今現在の入試現代文(国語)・(小論文)の最新傾向としては、基本的に以下のように考えています。

 これは、このブログの第1回記事「開設の言葉ー入試現代文の最新傾向ー重要な、気付きにくい2本の柱」に書いた私の考えです。

 私の、最近出版した参考書(『頻出・難関私大の現代文』(開拓社))に書いたことを元に、2016年1月に書いたものです。

 ……………………

 今現在の入試現代文の最新傾向として、注目するべきポイントとしては、2つの大きな柱があります。

【1】1つの柱は、「IT社会の光と影と闇」です。

 この論点・テーマは、3・11東日本大震災の前から登場していたので、割と有名ですが、最近のスマホの爆発的な流行により、新たな論点・テーマが発生しています。

【2】 もう1つの柱は、「3・11東日本大震災の各方面に対する影響」です。

 「各方面」は、実に多方面にわたっています。

 ……………………

 2016年の、センター試験や難関大学の入試問題を、検討している現在も、この考えは変わってはいません。

 そこで、基本的には、上記の視点から、3・11東日本大震災以降の5年間のセンター試験現代文(大問[1])の最新傾向を、分析していきます。

 

  リンクできます↓

 

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  (2)センター試験国語第1問(現代文・評論文問題)の最新傾向を分析する前提として、2012年度以降の5年分の問題を概観します。

 

 あくまで概観なので、各年度の全設問の丁寧な問題解説は、しません。

 詳細な解説・解答は、各種解説書を参照してください。

 

 センター試験国語(現代文(評論文))の最新傾向を分析するために重要なことは、出題者の出題意図・問題意識を探ることです。

 出題意図を把握すれば、出題者の問題意識が、分かります。

 そのことが、日々の学習、読むべき本、本番での問題対応力(得点力)のアップ、次年度の出題予想、つまり、センター試験国語(現代文(評論文))の対策に役立つのです。

 従って、出題者の問題意識が色濃く出ている設問を中心に解説していきます。

 

 (3)2013年度センター試験現代文[大問1](小林秀雄「鐔」)の、出題意図、本問作成者の問題意識の探究

 

小林秀雄氏の紹介、入試出題状況

 小林秀雄氏は、近代日本の文芸評論の確立者です。

 個性的な、少々切れ味の良い挑発的な文体、詩的雰囲気のある表現が、特徴です。

 西洋絵画の批評や、ランボー、アラン等の翻訳にも、業績を残しました。

 

 入試現代文(国語)の世界では、20年くらい前までは、トップレベルの頻出著者(ほぼ全ての難関大学で、最低1回は出題されていました。)でした。

 現在は、トップレベルではないですが、やはり、頻出著者です。

 最近の入試に全く出題されていない、ということは、ありません。

 最近でも、以下の大学で出題されています。

 大阪大学『考えるヒント』

 明治大学『文化について』

 国学院大学『無常という事』

 明治学院大「骨董」

 

 

この問題に対する一般的評価、それらに対する私の意見

 この問題については、

「かつての入試頻出著者ではあるが、小林秀雄氏の文章は今の受験生には難解過ぎて、少々、不適切な問題であった」

という評価が多いようです。

 本当に、そうなのでしょうか。

 

 私は、そうは思いません。

 単語のレベルは少々高いです。

 しかし、最近、京都大学・大阪大学・東北大学・一橋大学・東京学芸大学・宮崎大学・香川大学・岡山大学・奈良女子大学・早稲田大学(政経)(教育)(国際教養)(文化構想)・上智大学・明治大学(法)・青山学院大学・中央大学(法)・法政大学・関西学院大学・南山大学・国学院大学・成城大学等の現代文で流行が続いている擬古文(明治・大正期の文章)、慶應大学・国公立大学等の小論文で頻出の福沢諭吉の論考と比較して、全体的に分かりやすい名文だと感じました。

 丁寧に読んでいけば、受験生にとっても、難解ではないはずです。

 (丁寧に読むということは、上記の京都大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・青山学院大学等で流行している擬古文対策のポイントでも、あります。)

 本文のレベルを考慮して、設問は、例年より著しく平易になっています。

 

 しかし、本番直後では、平均点が例年より低下したことが、マスコミやウェブ上で、話題になりました。

 本文の丁寧な読解を諦めた受験生が、多かったのでしょう。

 受験生の粘りや集中力のなさを、問題とするべきです。

 私は、本問を難問・悪問と評価することは、できません。

 

 また、本問の問題文本文は、論理が飛躍しているので、試験問題として不適切という批判もありました。

 笑うべき批判です。

 今回の本文は、エッセイ・随筆なので、論理飛躍がある程度あるのは当然です。

 受験生は、著者の気持ち・感性・感想に、寄り添って読解して行けばよいのです。

 

 つまり、本問に対する様々な批判は、小林秀雄氏のイメージに固執したムード的なものか、的外れなものです。

 従って、センター試験を受験するつもりの受験生としては、この問題を、スルーしないで、しっかりと学習するべきです。

 (また、上記の擬古文が頻出の、京都大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・青山学院大学等を受験する受験生は、擬古文対策として、しっかり、やっておくべきです。)

 

 これから、そのことを、検証していきます。

 

問題文本文のポイント

 問題文本文は、4つのブロックに分かれています。

 私が注目したのは、第1ブロック第3段落の記述です。

 筆者小林秀雄の主張が、ここにあります。

 以下に引用します。

 「誰も、身に降りかかる乱世に、乱世を以て処する事は出来ない。

人間は、どう在ろうとも、どんな処にでも、どんな形ででも、平常心を、秩序を、文化を捜さなけれぱ生きて行けぬ。

そういう止むに止まれぬ人心の動きが、兇器の一部分品を、少しずつ、少しずつ、鐔に仕立てて行くのである。」

 

 現代も、まさに、「乱世」です。

 日本国内では、3・11東日本大震災、福島原発事故、不景気、非正規雇用問題、年金破綻問題、少子化問題、高齢化問題、そして、熊本地震等の問題が山積しています。

 世界レベルでは、経済問題、テロ問題、難民問題、地球環境問題、温暖化等の難問だらけです。

 つまり、日本でも、世界レベルでも、政治的・経済的・社会的に大混乱が続いています。

 このような「乱世」の中でも、人々は、「乱世」のまま生きていくことは、できません。

 「秩序」、「安定」、さらには、レベルの高い「精神生活」が必要不可欠です。

 

 3・11東日本大震災の時にも、体育館等に避難していた被災者達は、読書への欲求があったと聞いています。

 また、少し落ち着いた時には、近くの書店に訪れる人が多かったようです。

 今現在の人々も、「乱世を乱世のままに生きていくこと」は、できないのです。

 

 受験生は、この第1ブロック第3段落を、しっかり読む必要があります。

 この部分が、この問題のキーセンテンスになっています。

 そして、複数の設問で、このキーセンテンスを聞いてきています。

 第2~4ブロックは、このキーセンテンスの具体例であり、本文も設問も、とても分かりやすい簡明な構造になっています。

 つまり、本問は、決して、難問でも悪問でもないのです。

 

 「本問の論考が、小林秀雄氏の論考にしては、今まで、頻出出典にならなかったのは、全体構造が単純だったからではないか」、

と私は推測します。

 難問か否かは、題材となった文章と設問を精査して、客観的に考えるべきです。

 著者のイメージから軽々に論ずるべきではないと思います。

 ましてや、受験生の平均点や感想は、一応の目安に過ぎません。

 悪問という評価は、よほどのことです。

 これから、そのことを、検証していきます。

 

 

本問の検討ー「出題意図作成者の問題意識」の探究

 本問は、刀の「鐔」を題材に、近代以前の乱世の人々の精神生活についてエッセイ風に論考した、小林秀雄の文章から出題しています。問題文本文は、4つのブロックに分かれています。

 

 初めに、「要約」を記述します。

「(第1ブロック)

(問2)A日本人の鐔というものの見方も考え方も、まるで変って了った。

所謂鐔なるものは、応仁の大乱の産物と言ってよい。

特権階級の象徴たる太刀が、乱世によって、実用本位の兇器に変じた。

堅牢な鉄鐔の製作が要求された。

しかし、人間は、乱世に乱心を以て処する事は出来ない。

平常心を、秩序を、文化を捜さなければ生きて行けぬ。

そういう人心の動きが、凶器の一部分品を、少しずつ、少しずつ、鐔に仕立てて行く。

 

(第2ブロック)

戦国時代の鐔の模様に仏教的主題のものが見られることを、仏教思想の影響と簡単な言葉で片附けるのではなく、日常生活の中に仏教が滲透していたその当時の、武士達の感受性に注目するべきなのだ。

 

(第3ブロック)

鐔の面白さは、鐔という生地の顔が化粧し始め、やがて、見事に生地を生かして見せるごく僅かの期間にある。

化粧から鐔へ行く道はない。

刀匠は、ただ地金を鍛えれば足りたのだが、いつの間にか、誰にでも親しい物の形が文様となって現れて来た。

刀匠が、そんな形を抜きたくなったのか、客の註文か、そんな事は解る筈がない。

(問4Cもし鉄に生があるなら、水をやれば、文様透は芽をだしたであろう。

装飾は、実用と手を握っている。

透の美しさは、鐔の堅牢と軽快とを語り、これを保証しているところにある。

 

 (第4ブロック)

森閑とした神社の森で、巣を守ろうと、私の頭上を、両翼を強く張りながら舞う鳥に出会った。

(問5私は鶴丸透の発生に立会う想いがした。 」

 

……………………

 

 

 小林氏の中心的な主張を聞いた設問が3問あります。

 つまり、2、4、問です。

 最初は、問2です。

 まず、問2に関しては、上記の要約」を再掲します。

 問題本文、設問の全体については、各種解説書を参照してください。

 

 (第1ブロック)

(問2)A日本人の鐔というものの見方も考え方も、まるで変って了った。

所謂鐔なるものは、応仁の大乱の産物と言ってよい。

特権階級の象徴たる太刀が、乱世によって、実用本位の兇器に変じた。

堅牢な鉄鐔の製作が要求された。

しかし、人間は、乱世に乱心を以て処する事は出来ない。

平常心を、秩序を、文化を捜さなければ生きて行けぬ。

そういう人心の動きが、凶器の一部分品を、少しずつ、少しずつ、鐔に仕立てて行くのである。

  

問2 傍線部A「日本人の鐔というものの見方も考え方も、まるで変っ了った」とあるが、それはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから1つ選べ。

 

 正解は①です。

(他の選択肢が不適切な理由については、他の解説書等を参照してください。今回のこの記事は、出題意図、問題作成者の問題意識を探究することを目的にしているので、不適切な選択肢のチェックは、しません。)

 

 ① 鐔は応仁の大乱以前には富や権力を象徴する拵の一部だったが、それ以後は命をかけた実戦のための実用性と、乱世においても自分を見失わずしたたかに生き抜くための精神性とが求められるようになったということ。 

 

 小林氏の主張としては、鐔の「美」は、「実戦のための実用性」と「乱世においても自分を見失わず、したたかに生き抜くための精神性」の「調和」の中にこそ存在するのです。

 このことは、私の要約」第3ブロックでも繰り返し述べられています。

 私の要約」を参照してください。

 

……………………

 

 次に、を検討します。

 

問4 傍線部C「もし鉄に生があるなら、水をやれば、文様透は芽を出したであろう。」とあるが、それはどういうことをたとえているか。最も適当なものを、次の①~⑤のうちから1つ選べ。

 

正解は②です。

② 鐔は応仁の大乱以前には富や権力を象徴する刀剣の拵の一部だったが、それ以後は命をかけた実戦のための有用性と、乱世においても自分を見失わずしたたかに生き抜くための精神性とが求められるようになったということ。

 

 この問題は、傍線部C が、直前の2文の「言い換え」であり、「たとえ」であることに注目すれば、実に単純な問題です。

 本設問のポイントは、「鐔の文様が、ごく自然に出来た」ということです。

 

 傍線部Cの説明が、さらに、直後に記述されていることにも、注意してください。

 特に、私の「要約」の「透の美しさは、鐔の堅牢と軽快とを語り、これを保証しているところにある。」の内容を、よく考えてください。

 この一文の内容は、以下の通りです。

「『鐔の堅牢と軽快』という『実用』のためにこそ、『文様透という装飾』が発生したのだ」

と小林氏は主張しているのです。

 命をかける場面における刀剣には、何よりも、「堅牢と軽快」が要求されます。

 その「実用」の中から、「自然」に、ごく「自然」に、「装飾(洗練された鐔の美)」が発生したということです。

 ここまで読めれば、本設問は、さらに、単純な問題だと分かると思います。

 

……………………

 

 次に、問題5を検討します。

 

 問5に関する本文

(第4ブロック)「森を見上げた。・・・・その上を、白い鳥の群れが舞っていたが、枝には、・・・・鳥の巣が、幾つも幾つもあるのに気附いた。そのうちに、・・・・一羽が、かなり低く下りて来て、頭上を舞った。両翼は強く張られて、風を捕え、黒い二本の脚は、身体に吸われたように整然と折れている。嘴は延びて、硬い空気の層を割る。私は鶴丸透の発生に立会う想いがした。

 

問5 傍線部D「私は鶴丸透の発生に立会う想いがした」とあるが、それはなぜか。その理由として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから1つ選べ。

 

正解は⑤です。

⑤ 満開の桜を見る者もいない神社でひたむきに巣を守って舞う鳥に出会い、生きるために常に緊張し続けるその姿態が力感ある美を体現していることに感銘を受け、鶴の文様を抜いた鶴丸透の出現を重ね見る思いがしたから。

 

 鐔の「洗練された美」が、「装飾(美)」と「実用」が不可分に一体化していたところに存在していたように、鳥の「美しさ」も「鳥が生きるための緊張感」と一体化しているということです。

 「美は、それのみでは存立しえない」ということです。

 

……………………

 

 出題意図としては、問2・問4・問5は、同一です。

 全ては、私が注目した小林氏の主張(キーセンテンス)、つまり、

 「誰も、身に降りかかる乱世に、乱世を以て処する事は出来ない。

人間は、どう在ろうとも、どんな処にでも、どんな形ででも、平常心を、秩序を、文化を捜さなけれぱ生きて行けぬ。

そういう止むに止まれぬ人心の動きが、兇器の一部分品を、少しずつ、少しずつ、鐔に仕立てて行くのである。」

に、受験生が着目できたか、を聞いているのです。

 

……………………

 

 「『乱世』のまま、人間は生きていけない。」

 第2次大戦中の東京で、時々空襲があっても、映画館の前には人々の列があったということを、本で読んだ記憶があります。

 その場面の写真を何枚も見ました。

 

 本問の問題作成者は、今現在の「乱世」的な状況を意識して、本問を出題したのではないでしょうか?

 3・11東日本大震災、世界中の紛争、経済的混乱等の、「現代の時代背景」を意識しているのでは、ないでしょうか?

 そうだとしたら、まさに、タイムリーな見事な良問です。

 

 ここまで、この記事を書いてきて、ふと思い付きました。

 今現在の受験生は、現代の「乱世」的状況を理解していないのでは、ないでしょうか?

 そして、本問や小林秀雄氏を批判する人々も。

 

 そうであればこそ、「乱世でも、人々は、平常心を、秩序を、文化を捜さなければ生きて行けぬ」のフレーズの重要性に気付かなかったのでしょう。

 

 鴨長明の『方丈記』を学んだことが、あまり役に立っていないようです。

 『方丈記』は、哲学的な内容の現古融合問題には、よく見られます。

 

 「人間存在とは、何か」

 「人間は、いかに生きるべきか?」

 「生きることとは、どういうことか?」

 これらの哲学的・根源的なことを、小林秀雄は生涯をかけて考察していた評論家でした。(そして、鴨長明も『方丈記』で、同様の考察をしています。)

 だから、多少は難解な論考になっているのです。

 

 3・11東日本大震災を経験した日本人、特に「若者」は、「乱世」である今こそ、

「人間とは何か」、

「人間は、いかに生きるべきか」

「生きることとは、どういうことか」

を徹底的に追求した、小林秀雄氏等の思索的・哲学的・根源的な論考を、読むべきではないか?

 そのメッセージが、この問題に含まれているのではないでしょうか。

 

……………………

 

  小林秀雄氏等の「一時代前のトップレベルの入試頻出著者の著作」は、「人間とは何か」「生きることとは、どういうことか」「自己(自分)とは何か」等の本質的・哲学的・根源的な論点・テーマにしているものが、実に多いのです。

 そこで、私の「一時代前の入試頻出著者の論考を集めた問題集」を、ここで紹介します。

 下の、Amazon のリンク画像の問題集(『頻出・私大の現代文』(開拓社))は、私が執筆したものです。

 本書は、今から20年前に発行されたものですが、その当時の最新の入試頻出著者を網羅したので、今も充分に役立ちます。

 本書は、見開き1ページ、つまり、左右の両ページに、大問1問の問題文本文・設問をコンパクトに、まとめました。

 つまり、問題文本文・設問は、重要ポイントのみを取り上げました。

 掲載した大問数は、30問です。

 問題のレベルとしては、中堅大・難関大・東京6大学の各レベルのものを、バランスよく選択しました。

 別冊の『解答・解説集』には、解答・要旨・解法の他に、出題状況・著者紹介を加えておきました。

 「著者紹介」では、著者の経歴・中心テーマ等を簡潔にまとめて記述しています。

 

 本書の中の、今現在も入試頻出著者(一時代前のトップレベルの入試頻出著者)の問題を、以下に挙げます。

佐藤信夫『レトリックを少々』(日本大)

養老孟司『涼しい脳味噌』(東海大)

和辻哲郎『風土』(関西大)

山崎正和『日本文化と個人主義』(東海大)

中野孝次『清貧の思想』(大東文化大)

今村仁司『現代思想の系譜』(専修大)

木村敏『異常の構造』(早稲田大)

市川浩『精神としての身体』(早稲田大)

太宰治『富嶽百景』(二松学舎大)

芥川龍之介『ピアノ』(藤女子大)

幸田文『木』(実践女子大)

三島由紀夫『金閣寺』(二松学舎大)

夏目漱石『草枕』(国学院大)

 

 以上です。

 興味のある方は、ぜひ、リンクをクリックして、Amazon で詳細を御覧になってみてください。

 

 

  

 

 

 ( 下の小林秀雄氏の本は、いずれも、最近でも頻出出典になっているので、おすすめします。「人生」の役にも立ちます。Amazon にリンクして、ぜひ、詳しく御覧になってみてください。)

  

 

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