現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

2017慶大経済小論文・解説・論点的中報告④・ソクラテス的思考

(1)2017でも、センター現代文、東大現代文、早大政経・法・現代文、学習院大現代文に続き、慶大経済・小論文にも、当ブログの予想論点記事が的中しました。

 

 つまり、「慶大経済・小論文問題」に、当ブログの予想論点記事(「デモクラシー(民主主義)」・「文系学部解体」・「リベラルアーツ」)が的中しました。
 2016東大現代文ズバリ的中・一橋大現代文ズバリ的中(共に全文一致)に続く喜びです。
 そこで、今回は、「2017慶大経済・小論文」の解説をします。


 なお、これまでに発表した、2017の「論点的中報告・問題解説記事①~③」、2016の「東大現代文ズバリ的中報告・問題解説記事」、「一橋大現代文ズバリ的中・問題解説記事」については、下にリンク画像を貼っておきます。

 

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 「予想論点的中報告記事②」として扱います↓ 

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 「予想論点的中報告記事①」として扱います↓

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 今年度の慶大経済学部の小論文問題では、

「組織・国家の存続・発展のためにはデモクラシー(民主主義)が不可欠である。デモクラシー(民主主義)の基盤としては、伝統・権威に依存することなく、批判的思考態度を持ち、他者に敬意を抱きつつ、議論を重視するソクラテス的思考が必要となる。イエスマンばかりでは、組織・国家の存続・発展は望めない。このことは、歴史的に明らかである。ソクラテス的思考を養成するには人文学(リベラルアーツ、つまり、主に「文系の知」)を学ぶことが不可欠である。」という、論考が出題されました。


 今回の問題は、「トランプ現象」・「イギリスのEU離脱」・「ポピュリズム」、「最近の文系学部軽視の風潮」に関連しています。


 つまり、「トランプ現象」・「ポピュリズム」、「最近の文系学部軽視の風潮」に対して、「デモクラシー・民主主義」には、「ソクラテス的思考」・「文系学部の再評価・重視」が不可欠という原理・原則論を呈示して、根本的批判をしているのではないのでしょうか?

 市民が教育によって「批判的思考」と「省察の能力」を持つことは、「デモクラシー」の安定・存続、ひいては、国家・組織の存続・発展のために不可欠なのです。

 このように考えると、今回の慶大経済学部の問題は、かなりの良問と言えます。来年度の国語(現代文・評論文)・小論文対策のために、この問題は、よく理解しておくべきだと思われます。

 

 今回の慶大経済の小論文問題は、当ブログの「『君たちが知っておくべきこと』佐藤優③」、「予想問題・『文系学部解体』②」を読んでおけば、かなり、分かりやすかったと思われます。

 これら二つの記事のポイントを、以下に、再掲します。

 

 まず、「『君たちが知っておくべきこと』佐藤優③」の記事から、佐藤氏の講義(「教養を身につけるには」「リベラルアーツとは何か」・P123)の概要を再掲します。

 

ーーーーーーーー(再掲、スタート)

 

(赤字は当ブログによる「強調」です)

(青字は当ブログによる「注」です)

「  どうして近代になって、こんなに受験勉強が大変になったのでしょうか。

 しかも、皆さんがやっていることは、基本的には専門教育ではなく、一般教養です。そのために、なぜこれだけの時間をかけるかということについて、最も説得力のある説明をしているのは、アーネスト・ゲルナーというイギリスの社会人類学者です。

 ゲルナーは、高いレベルでの文化を支えるためには、専門教育のレベルが低くなってくると言う。専門教育を受けた人間は応用が利(き)かないということで職業教育上、一段下に見られるようになる。だから、一般教養が必要だというわけです。

 最近は盛んに『教養が必要、リベラルアーツ(→「①職業・専門には直接結びつかない教養。自由学芸。②一般教養」という意味)が重要』と言われています。リベラルアーツリベラルとは何か? 自由人であるということです。つまり、奴隷ではないということです。

 自由人が身につけるべきものが教養であるなら、すなわち、テクネー(技術)を持っているのは奴隷だということになる。司法試験の準備、国家医師試験の準備は、世間的にはエリートを作り出すためのシステムと思われているけれど、その実、テクネーにすぎないのではないか。

 そう世界が思い始めたことで、幅広い教養が必要なのだという考え方に回帰しているのかもしれない。」

「  幅広い教養を身につけようと思ったら、まず自らの意志を持つこと、それから、いい先生を見つけること。あとは切磋琢磨できるいい友だちを見つけること。」

……………………………

(当ブログによる解説)

 佐藤氏の、自由人=教養、奴隷=テクネー(技術)、という対比は、極めて明解です。

 この講義は、現代の常識を、激しく揺さぶる内容を含んでいるので、熟読しておいて下さい。

 入試頻出著者の室井尚氏、吉見俊哉氏も、同趣旨の内容を発言しています。
 最近は、「教養」・「リベラルアーツ」の価値が再評価されています。

 「専門的知識・技術」に価値があるのは、勿論です。
 しかし、その価値は、短期的視点から見た評価です。

 長期的視点(→今回の慶大経済の小論文問題は、まさに、この点がポイントになっています)から見た場合に、「教養」・「リベラルアーツ」には独特の高い価値があるのです。

ーーーーーーーー(再掲、終了)
 

 次に、「予想問題・『文系学部解体』②」の中の、《「大学が崩壊する」ー自分の頭で何も考えないような「人材育成」に反対》の概要・解説を再掲します。

 

ーーーーーーーー(再掲、スタート)

 

 【概要④】

 「『教養教育』や『リベラルアーツ教育』が大切だというのは、さまざまな考え方を学ぶことで、自分がそれまで自由に考えていなかったこと、さまざまなイデオロギーや因襲に縛られていたということに対する『自覚』や『気づき』を与えてくれるから大切なのです。」

……………………………

(当ブログによる解説)

 さらには、『真の自由』こそは、『創造力の根源』や『真理探究の基礎』でも、あります。(→今回の慶大経済の問題は、まさに、ここがポイントになっています)
 これらの『創造力』、『真理探究』こそ人類の発展に不可欠なのです。

 ーーーーーーーー(再掲、終了)

 

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 「デモクラシー・民主主義」の論点についても、当ブログで昨年に予想論点記事を発表していたので、下にリンク画像を貼っておきます。

 

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 なお、今年度、2017年度において、「文系学部解体」・「リベラルアーツ」については、大阪大学国語(現代文・評論文)、法政大学国語(現代文・評論文)、慶應大学商学部小論文でも出題されています。

 また、「デモクラシー(民主主義)」については、新潟大学国語(現代文・評論文)、早稲田大学文学部国語(現代文・評論文)でも出題されています。
 これらのうち、大阪大学国語(現代文・評論文)については、さらに、「問題解説記事」を発表する予定です。ご期待ください。

 

 今回の問題は、流行論点を含んでいて、来年度の国語(現代文・評論文)・小論文にも出題される可能性が大なので、国語(現代文・評論文)・小論文対策として、解説していきます。

 今回の問題は、英語の長文読解問題としても有用です。ぜひとも、気合いを入れて、お読みください。

 

 経済成長がすべてか?――デモクラシーが人文学を必要とする理由

 

 

 

 

 

 

(1)慶應大学経済学部・小論文・問題解説(マーサ・C.ヌスバウム『経済成長がすべてか?ーーデモクラシーが人文学を必要とする理由』)

 

(問題文本文)(概要です)

(赤字は当ブログによる「強調」です)

(青字は当ブログによる「注」です)

 


【1】吟味されない人生は生きるに値しない」とソクラテスは公言していました。彼はこうした批判的問いかけという理想への忠誠を貫いたために命を落としたのです。今日では、ソクラテスの例が西洋における伝統的なリベラル教育の理論と実践の中心をなしています。伝統や権威を盲信するのではなく、自分自身で考え議論するソクラテス的なやり方で、議論する能力が、デモクラシーにとってかけがえのないものです。

【2】不決断というものはたいてい、権威への服従と仲間の圧力によってさらに悪化するものです。ソクラテスの批判的探求は完全に反権威主義的なものです。重要なのは話者の地位ではなく、ひたすら議論の中身なのです。
【3】「周囲の集団も重要ではありません。ソクラテス的論者はたえず異議を唱える人です。各人の議論だけが物事をはっきりさせると知っているからです。数よりも議論にしたがうように訓練された人が、デモクラシーに有用なのです。そのような人は、間違ったことや軽率なことを言わせようとする圧力に抵抗することができるでしょう。
【4】検証されない生活を送っている人々のさらなる問題は、しばしば互いに敬意を欠くことです。政治討論がスポーツの試合さながら自陣営に得点をもたらすためのものだと考えられるようになると、「相手陣営」は敵と見なされ、これを打ち負かしたい、辱しめたいとすら願うようになるのです。妥協点や共通点を探ろうとは思いつきもしないのです。(→トランプ現象をイメージします)  対話の相手に向けるソクラテスの態度は、彼が自分自身に向ける態度とまさに同じものです。各人が検証を必要としており、誰もが議論の前では平等なのです。このような批判的態度は、各人の立ち位置を明らかにします。その過程で、共有された前提や意見が交わる点が明らかになっていき、そのおかげで市民はひとつの結論を共有する方向に進んでいくのです。
【5】さて今度は、この能力と、強力なグローバル市場に包囲されている現代の多元的デモクラシーとの関連について考えてみましょう。経済的成功がまさに目標とされている場合でも、一流の会社経営者たちは、批判的な声が沈黙させられないような企業文化を、つまり主体性と説明責任を重んじる文化を作り出す重要性を知悉しています。優れたビジネス教育者たちは、私たちの最大の失敗のいくつかーーエンロンやワールドコムの破滅的な失敗ーーの原因として、イエスマンの文化を挙げていました。イエスマンの文化においては、批判的なアイデアは決して口にされないのです。
【6】ビジネスにおける二つ目の問題は、イノベーション(→「技術革新」という意味)です。繁栄したイノベーション文化を維持するのに不可欠な、想像力と独立した思考の技能を、教養教育が強化すると考えるに足る理由はいくつもあります。多くの会社が、専門に特化した訓練を受けてきた者よりも、教養課程で学んできた学生を好みます。アメリカ経済の特徴のひとつは、一般教養に重きを置いたきたところ、そして科学の分野では、より専門的な応用技術よりも基礎教育・基礎研究に重きを置いてきたところにあると思われます。

【7】しかしくり返しますが、持続的安定を望むデモクラシーの目標は、単なる経済成長だけではありえないし、またあるべきではないのですから、ここで私たちの中心的な主題である政治文化について再び考えてみましょう。人間は権威と仲間の圧力に追従しがちです。おぞましい事態を回避するためには、個々人が異議を申し立てることのできる文化を作り、こうした傾向を押しとどめる必要があります。ひとつの批判的な声が重要な結果をもたらしうるのです。個々人の主体的な声を重視することは、責任の文化を推奨することにもなるのです。自分の考えに責任を持つ人々は、自分の行為にも責任を持とうとするものです。タゴール(→「タゴルラビンドラナート・タゴール」は、インドの詩人 、思想家。詩聖として非常な尊敬を集めている。1913年には『ギーターンジャリ』によってノーベル文学賞を受賞。これはアジア人に与えられた初のノーベル賞でもあった。 インド国歌及びバングラデシュ国歌の作詞・作曲者で、タゴール国際大学の設立者でもあった。 )は、社会生活の官僚主義化と近代国家の機械的な性質が、人々の道徳的想像力を鈍磨させ、その結果人々は何の良心の呵責もなくおぞましい事態を黙認するようになると強調しています。世界がまっしぐらに崩壊へ向かうのを避けたいのなら独立した思考が重要である、とタゴールは言い添えています。

マーサ・C.ヌスバウム著、小沢自然・小野正嗣訳、『経済成長がすべてか?――デモクラシーが人文学を必要とする理由』(岩波書店、2013 年)

 

ーーーーーーーー

 

(問題) 

設問A ソクラテス的論者とは、どのように議論をする人なのか。200字以内で説明しなさい。

……………………………

(解説・解答)

 課題文を読むと、「ソクラテス的論者の特徴」について、3つの点が言及されているので、これを要約的にまとめると、よいでしょう。

 

(解答)

ソクラテス的論者の特徴は、以下の3点である。

第1に、伝統や権威を盲信するのではなく、自分で考え議論する点である。このような反権威主義的な態度の人物が重視するのは、議論の中身である。

第2に、批判的思考力を持ち、自分の考察についても、常に注意深いことである。

第3に、対話の相手に敬意を抱き、議論の前では誰もが平等であると考えることである。 

 

 ーーーーーーー

 

(問題) 

設問B  ソクラテス的なやり方で議論する能力を持つ人材は、組織(企業、行政機関など) において、どのような活躍ができるのか。

 また、そのためには、組織は、どのような条件を備えることが必要か、課題文のみにとらわれず、あなたの考えを論じなさい。

……………………………

(解説・解答)

 

問われているのは、以下の2点です。
(1)  ソクラテス的なやり方で議論をすることができる人は、組織において、どのような活躍ができるのか。
(2)  そのために組織は、どのような条件を備えることが必要か。

 

 まず、「(1)ソクラテス的なやり方で議論をすることができる人は、組織において、どのような活躍ができるのかについては、

 

第1に、「イノベーションに寄与できること」が、あげられます。「繁栄したイノベーション文化を維持する」ためには、「ソクラテス的思考」、つまり、「想像力と独立した思考」が不可欠です。このことは、以下の本文から導かれます。

「経済的成功がまさに目標とされている場合でも、一流の会社経営者たちは、批判的な声が沈黙させられないような企業文化を、つまり主体性と説明責任を重んじる文化を作り出す重要性を知悉しています。」 


第2に、重大な失敗を指摘して、会社の安定的経営・健全経営に貢献できます。会社が危機に陥ることを回避することができます。イエスマンばかりでは、会社の危機に対応できないのです。批判的思考が不可欠なのです。このことは、以下の本文から導かれます。

「優れたビジネス教育者たちは、私たちの最大の失敗のいくつかーーエンロンやワールドコムの破滅的な失敗ーーの原因として、イエスマンの文化を挙げていました。イエスマンの文化においては、批判的なアイデアは決して口にされないのです。」

 「タゴールは、社会生活の官僚主義化と近代国家の機械的な性質が、人々の道徳的想像力を鈍磨させ、その結果人々は何の良心の呵責もなくおぞましい事態を黙認するようになると強調しています。世界がまっしぐらに崩壊へ向かうのを避けたいのなら独立した思考が重要である、とタゴールは言い添えています。」

 

 次に、(2)  そのために組織は、どのような条件を備えることが必要かについては、

 

第1に、「社内デモクラシー」・「社内民主主義」の「育成」・「保持」が重要になります。言い換えると、多様な批判的意見を尊重することが必要になります。このことは、以下の本文から導かれます。

「経済的成功がまさに目標とされている場合でも、一流の会社経営者たちは、批判的な声が沈黙させられないような企業文化を、つまり主体性と説明責任を重んじる文化を作り出す重要性を知悉しています。」

 

第2に、「社員教育」として、「教養教育」を積極的に導入する必要があります。このことは、本文第6段落から導かれます。

 

 以上を答案の形にすると、以下のようになります。

 (解答)

「(1)ソクラテス的なやり方で議論をすることができる人は、組織において、どのような活躍ができるのかについては、

第1に、「イノベーションに寄与できること」が、あげられる。「繁栄したイノベーション文化を維持する」ためには、「ソクラテス的思考」、つまり、「想像力と独立した思考」が不可欠である。

第2に、重大な失敗を指摘して、会社の安定的経営・健全経営に貢献できる。会社が危機に陥ることを回避することができる。イエスマンばかりでは、会社の危機に対応できない。批判的思考が不可欠なのである。

次に、(2)  そのために組織は、どのような条件を備えることが必要かについては、

 第1に、「社内デモクラシー」・「社内民主主義」の「育成」・「保持」が重要になる。言い換えると、多様な批判的意見を尊重することが必要になる。

 第2に、「社員教育」として、「教養教育」を積極的に導入する必要がある。

 

【小論文答案作成のポイント】

 まず、本文を中心に考えることが必要です。つまり、「本文のキーワード」を使って記述するべきです。「本文のキーワード」を「自分なりの表現」で書かないようにしてください。採点者が、読解不足と判定するリスクがあります。つまらない自己主張をしないで、素直に問題に対応してください。

 その上で、自分の考えを記述するようにしてください。

 慶應大学経済学部の小論文は、わずか60分間で合計600字の記述を要求しています。

 問題文本文を読解すること、構想すること、メモをとること、などを考慮すると、設問Bも、設問Aと同様に、ほぼ要約を聞いていると考えるべきでしょう。私は、このように指導しています。このことは、設問Bの問題文からも明白です。

 例えば、設問Bの 「そのために組織は、どのような条件を備えることが必要かにおいて、「IT活用、コンペの実施、異業種や外国の企業との交流」等の、「本文とは無関係な、下らない具体例」をダラダラと書かないでください。

 試験の場で、自己主張することは、無意味どころか、時間的にも、内容的にも、字数的にも、有害でしかありません。「具体例を積極的に書くように」という指導法が、高校、予備校・塾で主流のようです。が、そのような、出題意図や、試験の実情を無視した、逆方向の指導のおかげで、長年、私の生徒の(小論文試験のある慶大などの難関大学の)合格率が5割超になっています。

 従って、私のこの指導法は、正しいと思います。 

 

 

(3)本書の内容紹介、著者・訳者の紹介

【本書の内容紹介】

グローバル市場での競争力を維持するために各国があらゆる無駄の切り棄てを余儀なくされる時代、短期的な利益の追求を国家が最優先する状況のなかで、人文学と芸術は無用の長物と見なされている。そのことが私たちの社会にもたらすものとは、なにか。科学や技術と同じくらい重要な、強い経済と繁栄のために真に求められるものを提示する。(「ブック紹介」より引用)


【著者紹介】【マサ・C.ヌースバウム】

マーサ・C.ヌスバウム(1947年生まれ)は、アメリカ合衆国の哲学者、倫理学者。ニューヨーク生まれ。ニューヨーク大学卒業後、ハーヴァード大学で修士号および博士号を取得。現在、シカゴ大学教授。
経済学者アマルティア・センとの共同研究で、潜在能力アプローチ(capability approach)を提起し、従来の開発や貧困をめぐる議論に介入した。2012年アストゥリアス皇太子賞社会科学部門、2016年京都賞思想・芸術部門を受賞。

【著書編集】

〈単著〉
『女性と人間開発ーー潜在能力アプローチ』(池本幸生・田口さつき・坪井ひろみ訳、岩波書店、2005年)
『感情と法ー現代アメリカ社会の政治的リベラリズム』(河野哲也訳、慶應義塾大学出版会)
『正義のフロンティアーー障碍者・外国人・動物という境界を越えて』(神島裕子訳、法政大学出版局)
『良心の自由ーアメリカの宗教的平等の伝統』(河野哲也監訳、慶應義塾大学出版会、2010)
『経済成長がすべてか?ーーデモクラシーが人文学を必要とする理由』(小沢自然・小野正嗣訳、岩波書店、2013年)

〈共著編集〉
『国を愛するということーー愛国主義の限界をめぐる論争』(辰巳伸知・能川元一訳、人文書院、2000年)

〈共編著編集〉
『クオリティー・オブ・ライフーー豊かさの本質とは』(水谷めぐみ・竹友安彦訳、里文出版、 2006年)
『クローン、是か非か』(中村桂子・渡会圭子訳、産業図書、1999年)

『動物の権利』(安部圭介・山本龍彦・大林啓吾監訳、尚学社、2013年)

 

 

【訳者紹介】

【 小沢/自然 
イギリス・エセックス大学大学院文学部博士課程修了。文学博士。現在、台湾・淡江大学外国語文学部英文学科准教授

 

【 小野/正嗣
東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。パリ第8大学文学博士。現在、明治学院大学文学部フランス文学科准教授。作家。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

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今回の記事は、これで終わりです。

次回の記事は、約1週間後に発表の予定です。

ご期待ください。

  

 

  

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経済成長がすべてか?――デモクラシーが人文学を必要とする理由

経済成長がすべてか?――デモクラシーが人文学を必要とする理由

 

 

 

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頻出難関私大の現代文 (αプラス入試突破)

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