現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

予想問題

ポピュリズム・その積極的意義とは何かー2017学習院大現代文解説

(1)今回の記事について 今回の記事は、「2017早大現代文・学習院大現代文・論点的中報告③・ポピュリズム」の追加版として、2017学習院大学・現代文(吉田徹「ポピュリズムにどう向き合う」)の解説をします。 gensairyu.hatenablog.com ここで、流行・頻出論点である…

予想問題『身の構造』市川浩/早大教育・過去問ー身体論・身(み)

(1)なぜ、この記事を書くのか? 近代原理であるデカルトの「心身二元論」については、様々な批判があります。 近代化の進展により、以下のような深刻な病理が顕著になってきました。 様々な事物からの奥行き・味わいの消滅、自己確認と無縁になってしまった…

予想問題ー共謀罪と監視社会ー自由・人権・民主主義を守るためには

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現在、最近成立した共謀罪(テロ等準備罪)の様々な問題性を指摘する論考が、数多く発表されています。 入試対策上、それぞれの論考に目を通すことも重要です。 しかし、このような場合には、個々の専門的・技術的な論点よ…

予想問題「シン・ゴジラ」御厨貴・「戦後」と「災後」・東日本大震災

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近になって、2016年度の大ヒット映画「シン・ゴジラ」に関する、哲学的・政治学的・社会学的な本質的論考が、出揃ってきました。 入試現代文(国語)・小論文の流行・頻出論点にとどまらず、私たちの人生に大きな影響を与えた…

予想問題「広がる『ポスト真実』」神里達博〈月刊安心新聞〉朝日新聞

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近、世界的に、政治の局面で「ポスト真実」ということが、重大なキーワードになっています。そこで、今回は、この最新キーワードについての解説記事を、 「広がる『ポスト真実』事実の軽視 まるで中世」(2017年2月17…

予想問題「ナウシカとニヒリズム」重田園江・2014学習院大過去問

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現代社会は「ニヒリズム(虚無主義)」が蔓延している時代だ、と言われています。現代思想を理解するうえで、「ニヒリズム」の理解は必要不可欠です。入試現代文(国語)・小論文においても、「ニヒリズム(虚無主義)」は、頻出論点・流…

予想問題「人工知能の開発・その先の不老不死人間の問題点」山崎正和

(1)なぜ、この記事を書くのか? 今回の記事は、トップレベルの入試頻出著者である山崎正和氏の論考、「人工知能の開発ー『薔薇色』実は深刻な問題 不死が生む 傲慢な世界」(〈地球を読む〉2017・2・26『読売新聞』)の解説です。 今回の山崎正和氏の論考は、…

予想問題「無常という事」小林秀雄・身体感覚・身体論・死生観・随筆

(1)なぜ、この記事を書くのか? 小林秀雄氏は、一時代前の思想家・文芸評論家ですが、小林氏の思想は、決して、古びていません。 それは、小林氏の論考は、「人間存在の根源」に焦点を当てているからです。 それ故に、今だに、難関大学の現代文(国語)・小論文…

予想問題「憲法9条の矛盾」平和主義・集団的自衛権・佐伯啓思

(1)なぜ、この記事を書くのか? 平和主義、憲法9条改正問題、集団的自衛権は、大学入試現代文(国語)・小論文の最近の流行論点です。 しかし、これらの論点は、なかなか分かりにくい側面があります。 また、このような「政治的問題」は、政治的思想調査、…

予想問題・養老孟司・個性・自分さがし『ぼちぼち結論』『バカの壁』

(1)なぜ、この記事を書くのか? 養老氏は、入試現代文(国語)・小論文における著者別出題数で、ほぼ毎年、ベスト10に入っている頻出著者です。 高校現代文(国語)や小論文の教科書にも、養老孟司氏の論考は、かなり採用されています。 そこで、今回は、現…

現代文・小論文キーワード・最新オススメ本『現代思想史入門』船木享

現代文・小論文キーワード・マスターのためのオススメ本→『現代思想史入門』(船木享・ちくま新書)→2017早大人間現代文に、早くも4000字の論考が出題されました。 この記事の構成は、以下のようになっています。 (1)キーワードをマスターしよう→これこそが…

『考える身体』身体論・解説・論点的中報告⑥・2017神戸大現代文

(1)2017では、センター現代文、東大、早大政経・法、学習院大、慶大経済(小論文)、大阪大に続き、神戸大現代文にも、当ブログの予想論点記事が的中しました。 2017でも、 ①センター国語第1問(現代文・評論文)、 ②東大国語第1問(現代文・評論文)、 ③早大…

2013早大政経国語(現代文)解説「悪人礼賛」・善意の暴走

(1)早稲田大学・上智大学・同志社大学の現代文(国語)の傾向分析・対策 【1】傾向分析 ① 早稲田大学・上智大学・同志社大学の現代文(国語)は全学部的に、全国の難関大学の中でも特に、重厚で難解な哲学的な論考を出題しています。 ② また、最新の論点・テーマを…

2014明大国語(現代文)解説『本は、これから』内田樹・電子書籍

(1)「電子書籍の問題点」、「電子書籍の未来への展望」、「紙の本の影響力・恩恵」は、入試現代文(国語)・(小論文)の最近の流行論点・テーマです 最近の一例を挙げます。小論文の場合は、その旨を表記します。現代文(国語)は、表記しません。 ・千葉大学-港千尋『…

予想問題・『文系学部解体』室井尚・『日本の反知性主義』(2)

(1)予想問題・第4章「大学が崩壊する」 前回の記事は、『文系学部解体』の全体の概要と解説を書きました。 今回の記事から、このブログを読む方は、前回の記事も参照してください。 その方が、この記事のより深い理解につながると思います。 以下に、前回の…

予想問題・『文系学部解体』室井尚・『日本の反知性主義』(1)

(1)この記事を書く理由ー私は3月3日に、ツイッター(現代文最新傾向LABO斎藤隆、@gen said ryu )で次のようなツイートをしました。 https://twitter.com/gensairyu …………………………… 【最新情報】 『日本の反知性主義』採用大学・ブログ予想記事の的中状…

私のプロフィ-ル-自己紹介・趣味・特技・好きな食べ物・私への連絡方法

【自己紹介】 東京都生まれ。 東京教育大学(筑波大学)付属中学・高校卒業。早稲田大学法学部卒業。 Z会東大進学教室、河合塾、早稲田予備校、医学部予備校九段ゼミナール、辰巳法律研究所・法科大学院・ロースクール入試対策講座等で、現代文・小論文等を担当…

(予想問題)『日本の反知性主義』・鷲田清一氏の論考・異文化理解

(1)なぜ、この論考に注目したのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、東北大学、早稲田大学、上智大学等で、出題されています。 鷲田氏の入試頻出著書として…

予想問題ー『日本の反知性主義』(2015年発行)内田樹氏の論考

(1)なぜ、この論考に注目したのか? 内田樹氏は、難関大学での現代文(国語)・小論文の出題が多い、トップレベルの入試頻出著者です。 最近では、早稲田大学、立命館大学等で出題されています。 内田氏は、倫理学者、翻訳家です。専門は、フランス現代思想で…

2015立教大国語(現代文)解説「波打ち際で生きる」松浦寿輝

(1) なぜ、この論考に注目したのか? 私は、3・11東日本大震災以降、大学入試現代文(国語)・小論文の傾向が大きく変化した、と分析しています。 「入試現代文の最新傾向」において、「重要な、気付きにくい2本の柱」は、「IT 社会の光と影と闇」、そして、「3・…

予想問題ー3・11津波ビデオ(個人撮影)の影響力に関する論考

(1)なぜ、この論考に注目したのか (1) 長谷正人氏は、名著『映像という神秘と快楽 〈世界〉と触れ合うためのレッスン』(以文社)で、社会的にも注目された、映像文化論を専門としている社会学者(早稲田大学教授)です。 著書しては、『映画というテクノロ…

予想問題(出典)・山崎正和氏の「科学批判」ー「人間とは何か 問い直す時」 

(1)なぜ、山崎氏の論考に注目したのか? 山崎正和氏は、ほとんどの難関国公立私立大学の、入試現代文(国語)・小論文に、一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 その山崎氏が、最近、読売新聞社に発表した「科学批判」の論考が、また、とても素…