現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

現代文明論

予想問題「シン・ゴジラ」御厨貴・「戦後」と「災後」・東日本大震災

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近になって、2016年度の大ヒット映画「シン・ゴジラ」に関する、哲学的・政治学的・社会学的な本質的論考が、出揃ってきました。 入試現代文(国語)・小論文の流行・頻出論点にとどまらず、私たちの人生に大きな影響を与えた…

『考えないヒト』正高信男・IT化社会・コミュニケーション能力低下

(1)なぜ、この記事を書くのか? 携帯電話、スマホなどへの過度の依存により、言語運用能力・思考力の衰退、反知性主義などの退化的現象が現代日本に顕著になっている、という意見が強まっています。 そこで、「携帯電話」と「人間のサル化(退化)」の関係を鋭く…

予想問題「広がる『ポスト真実』」神里達博〈月刊安心新聞〉朝日新聞

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近、世界的に、政治の局面で「ポスト真実」ということが、重大なキーワードになっています。そこで、今回は、この最新キーワードについての解説記事を、 「広がる『ポスト真実』事実の軽視 まるで中世」(2017年2月17…

予想問題「ナウシカとニヒリズム」重田園江・2014学習院大過去問

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現代社会は「ニヒリズム(虚無主義)」が蔓延している時代だ、と言われています。現代思想を理解するうえで、「ニヒリズム」の理解は必要不可欠です。入試現代文(国語)・小論文においても、「ニヒリズム(虚無主義)」は、頻出論点・流…

予想問題「人工知能の開発・その先の不老不死人間の問題点」山崎正和

(1)なぜ、この記事を書くのか? 今回の記事は、トップレベルの入試頻出著者である山崎正和氏の論考、「人工知能の開発ー『薔薇色』実は深刻な問題 不死が生む 傲慢な世界」(〈地球を読む〉2017・2・26『読売新聞』)の解説です。 今回の山崎正和氏の論考は、…

予想問題「無常という事」小林秀雄・身体感覚・身体論・死生観・随筆

(1)なぜ、この記事を書くのか? 小林秀雄氏は、一時代前の思想家・文芸評論家ですが、小林氏の思想は、決して、古びていません。 それは、小林氏の論考は、「人間存在の根源」に焦点を当てているからです。 それ故に、今だに、難関大学の現代文(国語)・小論文…

予想問題「憲法9条の矛盾」平和主義・集団的自衛権・佐伯啓思

(1)なぜ、この記事を書くのか? 平和主義、憲法9条改正問題、集団的自衛権は、大学入試現代文(国語)・小論文の最近の流行論点です。 しかし、これらの論点は、なかなか分かりにくい側面があります。 また、このような「政治的問題」は、政治的思想調査、…

予想問題・養老孟司・個性・自分さがし『ぼちぼち結論』『バカの壁』

(1)なぜ、この記事を書くのか? 養老氏は、入試現代文(国語)・小論文における著者別出題数で、ほぼ毎年、ベスト10に入っている頻出著者です。 高校現代文(国語)や小論文の教科書にも、養老孟司氏の論考は、かなり採用されています。 そこで、今回は、現…

予想問題『悲鳴をあげる身体』鷲田清一・存在の世話・存在の肯定

(1)なぜ、この論考に注目したのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、センター試験、東京大学、東北大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学等で、出題されてい…

予想出典・『永遠平和のために』カント・平和・移民問題・グローバル化

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近では、民族紛争・宗教対立・英国のEU離脱・トランプ現象など、国際関係・外交問題・グローバル化関連のニュース・論考が非常に多くなっています。 最近の大学入試国語(現代文)・小論文でも、これらに関連する政治哲学・政治…

予想問題『じぶん・この不思議な存在』鷲田清一・他者の他者としての自分

(1)なぜ、この論考に注目したのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、センター試験、東京大学、東北大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学等で、出題されてい…

現代文・小論文キーワード・最新オススメ本『現代思想史入門』船木享

現代文・小論文キーワード・マスターのためのオススメ本→『現代思想史入門』(船木享・ちくま新書)→2017早大人間現代文に、早くも4000字の論考が出題されました。 この記事の構成は、以下のようになっています。 (1)キーワードをマスターしよう→これこそが…

2017大阪大国語(現代文・評論)解説・論点的中報告⑤・文系の知

(1)2017でも、センター現代文、東大現代文、早大政経・法・現代文、学習院大現代文、慶大経済・小論文に続き、大阪大現代文にも、当ブログの予想論点記事が的中しました。 2017でも、 ①センター国語第1問(現代文・評論文)、 ②東大国語第1問(現代文・評論文)…

2017東大国語第1問(現代文・評論)的中報告・解説・科学と倫理

(1)2017東大国語第一問・的中報告→2017センター試験国語第1問(現代文・評論文)に続き、2017東大国語第1問にも当ブログの予想論点記事(「科学論」「科学と倫理」)が的中しました。2016東大現代文ズバリ的中・一橋大現代文ズバリ的中(共に全…

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一・頻出出典・科学論・生命とは何か?

「科学論」・「科学批判」は、東日本大震災以降、増加し、現在に続いています。 今回の記事は以下の構成になっています。 (1)なぜ、この記事を書くのか? (2)『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一)ー2008早稲田大学・国際教養学部の問題・解答・解説 (3)「動…

頻出論点・「『私』消え、止まらぬ連鎖」高村薫・消費社会・欲望論

(1)なぜ、この記事を書くのか? 様々な、深刻な社会問題の背景には、実は、「消費社会」・「欲望論」の問題が潜んでいます。 「消費社会」・「欲望論」の論点は、このブログで以前にも記事化しました。(→下にリンク画像を貼っておきます) しかし、分かりにくい側面…

人工知能②ー身体性・自我・倫理問題ー現代文・小論文予想論点

2017センター国語第1問・「科学論」・「科学コミュニケーション」を発展的に考察し、「人工知能」について考えます。現代文(国語)・小論文・予想論点として解説します。 以下では、 (1)なぜ、この記事を書くのか (2)神里達博氏の論考・「人工知能と囲碁」(「月刊安…

2017センター試験国語第1問・的中報告・問題解説・科学論

(1)当ブログの予想論点記事が2017センター試験国語[1]に的中(著者・論点)しました。 2016東大・一橋大・静岡大ズバリ的中(3大学ともに全文一致→下にリンク画像があります)に続く快挙です。うれしいことです。 2016・12・13に発表した当ブログの記事(「…

国語予想問題「プロの裏切り・プライドと教養の復権を」神里達博

(1)現代文(国語)・小論文予想問題ー「プロの裏切り・プライドと教養の復権を」(2015・12・18「朝日新聞」月刊安心新聞)ーなぜ、この論考に注目したのか? ① 第一に、最近の流行論点・テーマが含まれているからです。 つまり、 「企業の怠慢・不正・犯罪」、 「専門家・科…

予想問題「スポーツと民主主義」『反・民主主義論』(佐伯啓思)

(1)現代文(国語)・小論文・予想問題(出典)ー「スポーツと民主主義」『反・民主主義論』(佐伯啓思)ーなぜ、これらの論考に注目したのか? 【1】『反・民主主義論』の紹介をします 表紙の帯には、「民主主義を信じるほど、不幸になっていく」という刺激的なキャチ…

現代文・小論文・予想問題解説『さらば、資本主義』(佐伯啓思)①

(1)現代文(国語)・小論文・予想出典(問題)ー『さらば、資本主義』(佐伯啓思)(新潮新書)ーなぜ、この本に注目したのか? 【1】本書の紹介 本書は2015年10月20日に発行されました。 本書は、月刊「新潮45」連載の「反・幸福論」(2014年9月号~2015年6月号…

『君たちが知っておくべきこと』佐藤優 ①・現代文・小論文予想出典

(1)現代文(国語)・小論文・予想出典ー『君たちが知っておくべきこと・未来のエリートとの対話』(佐藤優)について 最近、出版された『君たちが知っておくべきこと・未来のエリートとの対話』(佐藤優)(新潮社)が、来年度の難関大学の現代文(国語)・小論文に出題…

現代文・小論文・予想問題ー『AIの衝撃ー人工知能は人類の敵か』

(1)最近、流行している、理科系の論点・テーマに注目しよう 最近は、大学入試の現代文(国語)・小論文の世界に、理科系論点・テーマが、多く出題されるようになってきました。 現代文明においては、地球温暖化・核廃棄物等の問題を見ても分かるように、我々人…

2013早大政経国語(現代文)解説「悪人礼賛」・善意の暴走

(1)早稲田大学・上智大学・同志社大学の現代文(国語)の傾向分析・対策 【1】傾向分析 ① 早稲田大学・上智大学・同志社大学の現代文(国語)は全学部的に、全国の難関大学の中でも特に、重厚で難解な哲学的な論考を出題しています。 ② また、最新の論点・テーマを…

2014明大国語(現代文)解説『本は、これから』内田樹・電子書籍

(1)「電子書籍の問題点」、「電子書籍の未来への展望」、「紙の本の影響力・恩恵」は、入試現代文(国語)・(小論文)の最近の流行論点・テーマです 最近の一例を挙げます。小論文の場合は、その旨を表記します。現代文(国語)は、表記しません。 ・千葉大学-港千尋『…

2013センター国語第1問(現代文)解説「鐔」小林秀雄・エッセイ

(1)~(2)は、前回の記事の(「センター試験現代文対策ー3・11後の最新・傾向分析①ー2012」)の(1)~(2)の概説です。前回の記事を読んだ方は(3)から読んで下さい。 なお、前回の記事ー「センター試験現代文対策ー3・11後の最新・傾向分析①…

現代文・小論文キーワード・マスターのための・オススメ本・ベスト4

(1)キーワードをマスターしようー効果的・合理的な学習法・勉強法 これから、私が現代文(国語)・小論文の授業の参考資料として利用してきた本の中で、受験生でも利用可能なものを紹介していきます。 入試現代文(国語)・小論文の得点力アップのためには、キー…

予想問題・『文系学部解体』室井尚・『日本の反知性主義』(1)

(1)この記事を書く理由ー私は3月3日に、ツイッター(現代文最新傾向LABO斎藤隆、@gen said ryu )で次のようなツイートをしました。 https://twitter.com/gensairyu …………………………… 【最新情報】 『日本の反知性主義』採用大学・ブログ予想記事の的中状…

2016一橋大現代文ズバリ的中報告・解説・解答-長谷正人氏の論考

(1)一橋大学現代文(国語)ズバリ的中報告-来年度以降の予想問題も兼ねて このブログの予想問題記事、「予想問題-3・11津波ビデオ(個人撮影)の影響力に関する論考」(2016年1月26日発表)が、一橋大学現代文(国語)にズバリ的中したことを報告…

2016年センター国語第1問解説『キャラ化する/される子どもたち』

(1)土井隆義氏の著書の出題状況(第1回の記事がテーマ・論点的中) 2016年センター試験国語第1問(現代文・評論文)に、最近の流行論点・テーマである「自己」「アイデンティティー」(「若者論」・「日本人論」・「日本文化論」・「現代文明論」・「現代文明批判」・「コミュ…