現代文最新傾向LABO 斎藤隆

入試現代文の最新傾向を分析し、次年度の傾向を予測する大胆企画

日本社会論

予想問題/「平成と日本人」山崎正和《地球を読む》『読売新聞』

(1)なぜ、この論考に注目したのか? 山崎正和氏は、長期的にトップレベルの入試頻出著者です。 今回の論考も、「公共意識」の視点からの本質的考察で素晴らしいと思います。 難関大学の現代文(国語)・小論文の入試問題作成者も注目すると思われます。 しかも…

予想問題/「思考停止 変える力を」高村薫『朝日新聞』/現代文明論

(1)なぜ、この記事を書くのか? 高村薫氏の論考は、簡潔な表現で本質を鋭く突くのが特徴です。 爽やかで、切れ味の良い文章なので、難関大学の現代文(国語)・小論文で頻出です。 最近、入試頻出著者・高村氏が発表された「思考停止 変える力を」(『朝日新聞』…

予想問題/『負けない力』橋本治/「負けない力」としての「知性」

(1)なぜ、この記事を書くのか? 2019年1月29日、作家の橋本治氏が、惜しまれつつ、死去しました。 70歳でした。 橋本治氏は、慈愛と反骨、スジ重視の著作者です。 だから、読者も多かったのでしょう。 橋本治氏は、入試頻出著者でもあります。 最近では、…

予想問題/『日本文化における時間と空間』加藤周一/日本人論

(1)なぜ、この記事を書くのか? 入試頻出出典・『日本文化における時間と空間』は、入試頻出著者・加藤周一氏の、これまでの著作の集大成のような内容になっています。 加藤氏は、これまでの著作で、日本人の特徴として、「集団主義」、「大勢順応主義」、「現在…

予想問題/『困難な成熟』「責任を取ることの意味」内田樹/倫理

(1)はじめに/なぜ、この記事を書くのか? 現代の世界、アメリカ、日本社会においては、「責任」・「倫理」をめぐる議論は、やむことを知りません。 現代文明は、崩壊の危機に直面しているのでしょうか。 「政治」、「行政」、「経済」、「社会」等の様々な分野に、酷…

予想問題/『人口減少社会の未来学』内田樹/少子化社会・高齢化

(1)はじめに/なぜ、この記事を書くのか? 最近、入試頻出著者・内田樹氏が編者となり、最近の入試頻出論点である「人口減少社会」・「少子化」・「高齢化」に関する論考集(『人口減少社会の未来学』)が発行されました。 そこで、国語(現代文)・小論文対策として、…

予想問題/「言葉の生成について」内田樹/読解力・知的成熟

(1)なぜ、この記事を書くのか? PISA 経済協力開発機構(OECD)の2015年国際学習到達度調査(PISA)で、日本の「読解力」の順位が前回の4位から8位に低下しました。 このことを契機に、「教育現場」における「読解力の養成」が問題化しています。…

注目図書『私たち、戦争人間について』『キリスト教と戦争』石川明人

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現代は、戦争の危機が切迫してきている時代です。このような時こそ、単に「平和」を祈るだけではなく、「戦争」・「平和」について、より具体的に主体的に考えるべきでしょう。 この問題を考察するきっかけとなる良書(『私たち、…

予想問題『しんがりの思想 反リーダーシップ論』鷲田清一・地域社会

(1)なぜ、この記事を書くのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、センター試験、東京大学、東北大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学等で出題されています。…

予想問題『暇と退屈の倫理学』國分功一郎/消費社会・真の豊かさ

(1)なぜ、この記事を書くのか? 國分功一郎氏は、最近の入試頻出著者です。國分氏の論考は、最近、慶応大学(商学部)、中央大学、同志社大学、関西大学、獨協大学などの国語(現代文)・小論文で出題されています。 従って、国語(現代文)・小論文対策として、…

坂口安吾『茶番に寄せて』/2017早大政経現代文(国語)解説

(1)なぜ、この記事を書くのか? 坂口安吾は入試国語(現代文)・小論文における頻出著者です。最近では、以下のような大学で出題されています。 「散る日本」ー佐賀大学、南山大学「FARCEに就いて」ー上智大学、神戸女学院大学「文学のふるさと」ー明治大学、早稲…

茂木健一郎『思考の補助線』/明大(政経)・山口大現代文解説

(1)なぜ、この記事を書くのか? 茂木健一郎氏は、トップレベルの入試頻出著者です。最近では、福井大学、金沢大学、山口大学、早稲田大学、明治大学、立命館大学、関西大学、青山学院大学、成蹊大学などの国語(現代文)・小論文で出題されています。 国語(…

予想問題ー共謀罪と監視社会ー自由・人権・民主主義を守るためには

(1)なぜ、この記事を書くのか? 現在、最近成立した共謀罪(テロ等準備罪)の様々な問題性を指摘する論考が、数多く発表されています。 入試対策上、それぞれの論考に目を通すことも重要です。 しかし、このような場合には、個々の専門的・技術的な論点よ…

予想問題「シン・ゴジラ」御厨貴・「戦後」と「災後」・東日本大震災

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近になって、2016年度の大ヒット映画「シン・ゴジラ」に関する、哲学的・政治学的・社会学的な本質的論考が、出揃ってきました。 入試現代文(国語)・小論文の流行・頻出論点にとどまらず、私たちの人生に大きな影響を与えた…

予想問題「憲法9条の矛盾」平和主義・集団的自衛権・佐伯啓思

(1)なぜ、この記事を書くのか? 平和主義、憲法9条改正問題、集団的自衛権は、大学入試現代文(国語)・小論文の最近の流行論点です。 しかし、これらの論点は、なかなか分かりにくい側面があります。 また、このような「政治的問題」は、政治的思想調査、…

予想問題・養老孟司・個性・自分さがし『ぼちぼち結論』『バカの壁』

(1)なぜ、この記事を書くのか? 養老氏は、入試現代文(国語)・小論文における著者別出題数で、ほぼ毎年、ベスト10に入っている頻出著者です。 高校現代文(国語)や小論文の教科書にも、養老孟司氏の論考は、かなり採用されています。 そこで、今回は、現…

予想出典・『永遠平和のために』カント・平和・移民問題・グローバル化

(1)なぜ、この記事を書くのか? 最近では、民族紛争・宗教対立・英国のEU離脱・トランプ現象など、国際関係・外交問題・グローバル化関連のニュース・論考が非常に多くなっています。 最近の大学入試国語(現代文)・小論文でも、これらに関連する政治哲学・政治…

予想問題『じぶん・この不思議な存在』鷲田清一・他者の他者としての自分

(1)なぜ、この論考に注目したのか? 鷲田清一氏は、ほとんどの難関大学の入試現代文(国語)・小論文で一度は出題されている、トップレベルの頻出著者です。 最近では、センター試験、東京大学、東北大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学等で、出題されてい…

2017早大国際現代文・解説・論点的中報告⑦・IT化社会・モラル

(1)2017では、センター現代文、東大、早大政経・法、学習院大、慶大経済(小論文)、大阪大、神戸大に続き、早大国際現代文にも、当ブログの予想論点記事が的中しました。 2017でも、 ①センター現代文(「科学論」)、 ②東大現代文(「科学と倫理」)、 ③早大(政経…

2017大阪大国語(現代文・評論)解説・論点的中報告⑤・文系の知

(1)2017でも、センター現代文、東大現代文、早大政経・法・現代文、学習院大現代文、慶大経済・小論文に続き、大阪大現代文にも、当ブログの予想論点記事が的中しました。 2017でも、 ①センター国語第1問(現代文・評論文)、 ②東大国語第1問(現代文・評論文)…

小説問題・純客観的解法『夢十夜・第六夜』夏目漱石と文明開化

け (1)小説問題・純客観的解法『夢十夜・第六夜』・夏目漱石と文明開化 ① 小説問題を得意分野にしよう 小説問題を得意分野にしよう。 センター試験でも、難関大学入試でも、小説・エッセイ(随筆)問題が国語(現代文)における敗因だったという受験生が多いよう…

国語予想問題「プロの裏切り・プライドと教養の復権を」神里達博

(1)現代文(国語)・小論文予想問題ー「プロの裏切り・プライドと教養の復権を」(2015・12・18「朝日新聞」月刊安心新聞)ーなぜ、この論考に注目したのか? ① 第一に、最近の流行論点・テーマが含まれているからです。 つまり、 「企業の怠慢・不正・犯罪」、 「専門家・科…

2009早大政経学部現代文解説「『安楽』への全体主義」藤田省三

(1)現代文(国語)・小論文予想問題・「『安楽』への全体主義」(『全体主義の時代経験』藤田省三)ーなぜ、この論考に注目したのか? 世界中で「異常気象」が続き、今や恒常化しつつあります。 地球環境問題は、ますます、重大化しています。 地球環境に重大な影…

予想問題・「である」ことと「する」こと②・『日本の思想』丸山真男

(1)今回の記事は、前回の記事(「予想問題『日本の思想』《Ⅳ「である」ことと「する」こと》(丸山真男)①」)の、続きです 今回の記事は、「前回の記事の続き」です。 今回の記事の理解を深めるために、「前回の記事」を読むことを、おすすめします 下に、リンク画像を…

予想問題・丸山真男『日本の思想』Ⅳ「である」ことと「する」こと①

(1)現代文(国語)・小論文・オリジナル予想問題解説・丸山真男『日本の思想』《Ⅳ・「である」ことと「する」こと》①」 【1】なぜ、本書に注目したのか? 本書は1961年発行ですが、今までに、東京大学、一橋大学、北海道大学、大阪大学(小論文)、神戸大学、慶応…

『君たちが知っておくべきこと』佐藤優②・現代文・小論文予想出典

(1)この記事は、「現代文・小論文・予想問題・実戦的解説・『君たちが知っておくべきこと・未来のエリートとの対話』(佐藤優)(新潮社)①」の続編です。 今回の記事の理解を深めるためにも、前回の記事を、ぜひ、参照してください。 (2)「真のエリートになるため…

『君たちが知っておくべきこと』佐藤優 ①・現代文・小論文予想出典

(1)現代文(国語)・小論文・予想出典ー『君たちが知っておくべきこと・未来のエリートとの対話』(佐藤優)について 最近、出版された『君たちが知っておくべきこと・未来のエリートとの対話』(佐藤優)(新潮社)が、来年度の難関大学の現代文(国語)・小論文に出題…

2013早大政経国語(現代文)解説「悪人礼賛」・善意の暴走

(1)早稲田大学・上智大学・同志社大学の現代文(国語)の傾向分析・対策 【1】傾向分析 ① 早稲田大学・上智大学・同志社大学の現代文(国語)は全学部的に、全国の難関大学の中でも特に、重厚で難解な哲学的な論考を出題しています。 ② また、最新の論点・テーマを…

予想問題・『文系学部解体』室井尚・『日本の反知性主義』(1)

(1)この記事を書く理由ー私は3月3日に、ツイッター(現代文最新傾向LABO斎藤隆、@gen said ryu )で次のようなツイートをしました。 https://twitter.com/gensairyu …………………………… 【最新情報】 『日本の反知性主義』採用大学・ブログ予想記事の的中状…

2016年東大国語ズバリ的中報告・内田樹氏・『日本の反知性主義』

(1)2016年東大国語ズバリ的中報告 ズバリ的中の報告をします。 『反知性主義』掲載の内田樹氏の論考「反知性主義者たちの肖像」については、このブログの予想問題記事として2016年2月10日に発表しました。(←この記事の下の、予想問題記事(2016…